
こんな方におすすめ
- 職場で研究をやっちゃダメといわれる
- 療法士の立場が弱い職場で働いている
本記事を書いているぼくは作業療法士でして、臨床時代からずっと研究し続けています。
最近は研究法の本も出版しました。
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本記事ではそんなぼくが上記の疑問にさくっとお答えします。
療法士は職場で研究できない!?
こういう問題はわりとよく聞く話です。
職種間のヒエラルキーに負けているんです
多職種連携の重要性はわりと認められつつあるので、職種間のヒエラルキーを改善していこうという機運が高まりつつありますが、、、
職種間のヒエラルキーは、ぶっちゃけ歴然と残っていると思います。
以下が実例。
具体例
- 医師のみ研究OK、それ以外は実質ダメ
- 医師と看護師のみ研究OK、それ以外は実質ダメ
- 重要なことはすべて医師と看護師と事務で決まり、それ以外は蚊帳の外
- 知らないあいだに部屋の移動が決定
- 療法士には退院などの情報が退院後に伝達 などなど
上記は氷山の一角。
本記事では作業療法士、理学療法士、言語聴覚士を想定しています。
職種間のヒエラルキーの下位には、その他にも社会福祉士、介護福祉士、精神保健福祉士、臨床心理士、公認心理師なども含まれることがあります。
ここから本題でして、質問があります。
質問:職種間のヒエラルキーと聞いて、どう思いましたか?
職種間のヒエラルキーの具体例は下記。
図の見やすさの関係上、「作業療法士など」でまとめちゃっていますが、、、他意はないです。
さて、図をみて、ぶっちゃけ「かなり古くさいな、、、」と感じませんか?
確かにめちゃくちゃ古くさいです。
具体例
- 医師のみ研究OK、それ以外は実質ダメ
- 医師と看護師のみ研究OK、それ以外は実質ダメ
こんな感じのところは、上記のようなピラミッド型の組織になっている可能性があります。
図式化するとわかりますが、これじゃ多職種連携の意味はなさないですよね。
一番の問題は患者、家族の立場が弱いこと
職種間のヒエラルキーが強い組織の一番の問題点は、「患者、家族の立場」がもっとも弱いところにあります。
職種間のヒエラルキーがめちゃくちゃ強いのに、「患者、家族の立場が専門職と同等に尊重されている、、、」というところは、ほぼないです。
そんな都合の良い話は、ほとんどありません。
理由をいうと、職種間のヒエラルキーが強い組織は、立場が弱い人たちの心情に対して鈍感だからです。
人間は器用なようで不器用なので、立場が弱い人たちへの関わり方を選択的に都合よく切りかえることはできません。
弱者に非寛容な強者は、その属性に関わりなく劣勢な立場にある方々に対して等しく冷淡になれます。
なので、職種が違うというだけで、自ら取り組むことに関する意志決定のプロセスに参加させない、、、ような事態がずっと続くわけです。
もちろん、よい職場の職種間の関係はヒエラルキー構造ではなく、柔軟なネットワーク構造になっています。
こういう職場で働けたら「医師と看護師のみ研究OK、それ以外は実質ダメ」みたいな問題は生じないので、ぜんぜんやりやすいんですけどね、、、。
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研究できないから諦める、、、は思考停止です
以下のようなあつかい方をされると、「研究できないから諦める」という療法士がいますけど、これはぶっちゃけ思考停止です。
(再掲)具体例
- 医師のみ研究OK、それ以外は実質ダメ
- 医師と看護師のみ研究OK、それ以外は実質ダメ
研究できないから諦めても、誰も得しません
諦めても、誰も得しません。
やらなければならない研究課題があるのに「大人の事情」でできない、、、としてもそれで不利益をこうむるのは所属する組織を含む他者です。
研究は他者への贈り物ですから、当然のことながらそうなります。
もちろん、あなたが研究しても前進するのは、0.001%ぐらいかもしれません。
日本の金利並みに低い進捗率なので、「研究も無駄、、、」と思うかもですが、そんなことないです。
人類は1人ひとりの研究者が積みあげた0.001%のおかげで、ここまで発展することができたからです。
研究できないから諦める、、、を重ねていたら、人類誕生から20万年たった現在でも原始人みたいな生活を続けていたことでしょう。
1人ひとりの研究者の成果はたいしたことないけども、その一歩が人類を前に進める原動力になるのです。
だから、研究できないから諦めても、職種間のヒエラルキーで邪魔する人を含めて、ぶっちゃけ誰も得しません。
研究をはじめる際の鉄則
基本的には研究するべき課題があるならば、組織内で圧迫されたとしても研究すべきです。
けど、その際の鉄則は以下の通りです。
結論をいうと、組織内で仕事ぶりに信頼を得ることです。
上記のとおり。
言うまでもなく、療法士といえども組織の一員ですから、普段の仕事で信頼を得ないとダメです。
そして、、、「信頼をえる→「あの人がいうのだから研究も応援しよう」という気持ちにさせる、わけです。
たぶんですが、組織内で高い信頼を得ている療法士がいるところでは、わりと研究も応援されたり、少なくとも「やるな」とは言われにくいですよ。
療法士なら周囲の信頼を勝ち取るぐらいのコミュニケーション能力はほしいところです。
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まとめ:療法士は職場で研究できない!?
本記事では「うちの職場は医師や看護師は研究OKなのですが、療法士の研究には非協力的で良い顔されません。どうしてなんだろう。。。」という疑問にお答えしました。
結論をいうと、職種間のヒエラルキーに阻まれているので、普段の仕事ぶりから価値を見いだしてもらえるように努力しつつ、やるべき研究に取り組みましょう。
具体例
ぼくも常に周囲から研究を支援してもらっていたわけではないです。
研究していたら「そんなことに時間を使うな」と怒られたこともあります。
しんどいとは思いますけども、ここはふんばって前に進みましょう。
職場によっては、療法士も研究を推進できる環境が整っているところがあります。
他でできるんですから、あなたのところでできないわけないじゃないですか。
頑張りすぎると消耗するけどね。
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