あらゆる研究で使える視点。それは関心相関的観点です

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本記事では、大学院教育を通して気づいた大学院生に共通する弱点と対策を論じています。

本記事のポイント

  • 大学院生は総じて、〇〇という観点が弱い
  • 大学院生の研究力を高めるためには、あらゆる研究に通底する〇〇を意識する

大学院生は関心相関的観点への意識が弱い

多くの院生を指導していて気づいたのは、関心相関性という観点が弱いということです。

関心相関性とは、現象学をルーツにもつ構造構成主義の中核原理です。

そのポイントは、あらゆる存在、価値、意味は身体、欲望、目的、関心に応じて規定される、というものです。

この原理は人間科学の信念対立を克服するために提案されました。

これは、いまではその汎用性の高さから、研究、教育、臨床などの質を改善するために導入されています。

関心相関性は知っておくとかなり便利な哲学原理です。

研究で使える関心相関的観点

研究、教育、臨床などにおいて、関心相関性を使うことを「関心相関的観点」と言います。

関心相関的観点から研究を眺めると次のように説明できます。

あらゆる研究とそのプロセスは、常に「何かの関心」に応じて展開していきます。

たとえば、研究デザイン。

治療効果の証明に関心のある人は、ランダム化比較試験を中心にした研究デザインを選んで組み立てていくでしょう。

障害者の世界観を理解することに関心のある人は、グラウンデッド・セオリー・アプローチ等の質的研究を選んで設計していきますよね。

つまり、研究デザインは関心相関的です。

研究発表もそう。

結果の意義を伝えることに関心のある人は、研究結果で着目すべきポイントとその価値を中心に発表するでしょう。

方法について助言をもらうことに関心のある人は、目的と方法の具体的内容を中心に発表するでしょう。

言い換えれば、研究発表は関心相関的です。

この他にも、論文執筆、研究評価、文献読解、研究デザインの修正、議論、指導、質問、批判的吟味などなど。

関心相関性は、あらゆる研究の側面で必要になる観点です。

関心相関的観点が弱いと研究に行き詰まる

これの把握が弱いと、研究に行き詰まるのがオチです。

だって、何のために研究やっているのかわからなくなるのですから。

特に、院生は研究をはじめたばかりですから、とにかく意識的に「関心は何か」と問いかけながら取りくんでいく必要があります。

例えば、自身の関心が明確化されていないと、何のために研究しているのかを見失います。

また、たとえ研究テーマが決まっていても、どんな方法で研究していけばよいのかもわからなくなります。

このように、関心相関的観点が弱いと研究の迷路に迷い込むのです。

なので、研究で迷わないために関心相関的観点を明確化する必要があるのです。

まとめ

本記事では、大学院教育を通して気づいた大学院生に共通する弱点と対策を論じてました。

皆さんの研究の質の向上に少しでも役立つようでしたらうれしいです。

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