院生指導の経験で実感しているのは、院生指導は真面目にやっていると教員の成長にすごく役立つということです。
とにかく学ぶことが多いのです。
大学院生の研究テーマは多種多様です。
それは指導教員の元々の研究テーマを深く広く展開するものだったり、まったく異なる研究テーマだったりします。
指導教員はそれに対応しないといけないので、これまでよりも幅広い先行研究を読まないといけないし、しっかり考察を深めないといけません。
その結果として、知らず知らずのうちに様々な領域を守備範囲におさめることができるようになっているわけです。
研究テーマが多様ということは、研究の方法のバリエーションも豊かになります。
研究テーマが質的研究に適したものであれば、当然のことながらそれを使うことになります。
また質的研究と一言で表しても、その内実はいろいろあるので、研究テーマにあわせてそれを使い分けることになるわけです。
もちろん研究テーマが量的研究に適したものであれば、それもどんどん使えるようになる必要があります。
結果として、実験研究でも臨床研究でも観察研究でもだんだんできるようになるわけです。
最後に、院生指導の基本は、院生と教員の対話ですから、それ自体がいろんな気づきにつながります。
気づきはさらなる考察を呼び、発想を生みだし、次の研究テーマの創出につながります。
大学院教育はとても大変ですけど、実のところ指導教員が一番勉強させてもらっているのではないかと思いますね。