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作業療法
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作業と活動の違い【作業療法士は必ず理解すべし】

Makoto KYOUGOKU
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本記事では「作業療法士です。作業と活動ってどう違うんですか?」という疑問にお答えします。

こんな方におすすめ
  • 作業療法士だけども作業と活動の違いがわからない
  • 作業と活動の違いについて理解を深めたい

作業と活動の違い【作業療法士は必ず理解すべし】

YouTubeの動画教材でも語っていますが、作業療法では、作業(occupation)と活動(activity)は区別されています。

古くは、1966年の以下の文献でそのことが論じられています。

上記の文献の要点は以下の通り。

要点
  • 作業は、人間の目的を必要とし、創造的で生産的な役割をもたらす。
  • また人間は作業を通して社会的・経済的な特性へとつながるものである
  • 他方、活動は作業のように目的や役割を必要とせず、社会的・経済的な特性を射程に収めていない

つまり、作業は活動とは異なって、目的的であり、役割をもたらし、社会参加へと促すものである、と整理されているわけです。

両概念の比較検討はその後も続いています。

その一例として、以下の書籍があります。

要点
  • 作業は、特定の個人の1回限りの経験である
  • 作業は固有の時間的、空間的、社会文化的条件のうちで生じる反復不可能な主観的経験である
  • 作業は観察可能であるものの、その意味や価値は特定の個人の主観を通してでしか解釈できない
  • 活動は、社会文化的に共有された人間行動の分類であり、観念である(例えば演劇、料理など)
  • 活動は、特定の個人が経験するものではなく、何らかの出来事として観察できず、文脈依存的ではない

つまり、作業はそれぞれ固有の世界観のなかで生じる主観的経験であるが、活動は社会文化的に広く共有された人間行動のイメージである、というわけです。

この議論にしたがうと、例えば、「ジョギングする」という概念をみて、皆さんがある程度共通していだくイメージがあれば、それが活動です。

他方、ぼくが「ジョギングする」ときに実際に経験することがらは、作業です。

作業は、私でなければ経験できないことであり、それは一回生起の現象である。

現代の作業療法では、そう整理されています。

作業と活動は何が違うのか?と聞かれたら、作業療法士ならば明確に答えられるようにしておきましょう。

まとめ:作業と活動の違い【作業療法士は必ず理解すべし】

本記事では「作業療法士です。作業と活動ってどう違うんですか?」という疑問にお答えしました。

作業療法士は作業を通して健康と幸福を改善する専門家です。

なので、作業と活動の区別はめちゃ重要です。

それができないのは、例えるならカレー屋の店主がカレーとう〇この違いがわからないままカレーライスを作っているようなもんですよ。

あなたはそんなカレーライスを好んで食べたいですか?

著者紹介
京極 真
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授。作業療法学科長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『作業療法リーズニングの教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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