【考える技術】臨床的思考と原理的思考【比較】

投稿日:2018年2月18日 更新日:

本記事では「臨床的思考と原理的思考ってどう違うの?」という疑問にお答えします。

本記事のポイント

  • 考える技術には臨床的思考と原理的思考がある
  • 臨床的思考はいくつかの事実から何らかの結論を導きます
  • 原理的思考は誰もが了解せざるを得ない可能性の理路を探求します

考える技術:臨床的思考

作業療法士の思考法は臨床的思考(クリニカルリーズニング)と呼びます。

論者によっては、専門職リーズニング、治療的リーズニング、作業的リーズニングなどと呼びますけども、コアコンセプトは同じだといっても支障がないぐらい差がないので、ここでは他に比べて人口に膾炙しているクリニカルリーズニング(臨床的思考)という表現を採用します。

クリニカルリーズニング(臨床的思考)の基本形式は、いくつかの事実から何らかの結論を導く、というものです。

事実には、作業的・医学的な情報、クライエントの作業歴、文化、倫理などに関する事柄が含まれます。

クリニカルリーズニング(臨床的思考)は、これらを手がかりに思考を巡らせてある判断につながるプロセスを表しています。

で、事実が科学的なものならば科学的リーズニング、物語的なものならば物語的リーズニング、、、などのように呼ぶことになります。

つまり、クリニカルリーズニング(臨床的思考)の分類は、判断を導いた事実の種類に依存したものだといえます。

事実の種類はいろいろあるわけですけども、大きくくくってしまえば、科学的リーズニング、物語的リーズニング、相互交流的リーズニング、実際的リーズニング、倫理的リーズニングなどで示すことができます。

これらを作業中心に展開しちゃえば、作業的リーズニングと呼ぶことができますが、クリニカルリーズニング(臨床的思考)は作業療法士の思考法なので本来的に作業的リーズニングであると捉えたほうがいいかもしれません。

皆さんは日々の臨床でどのようなクリニカルリーズニング(臨床的思考)が中心でしょうか?

考える技術:原理的思考

クリニカルリーズニング(臨床的思考)とは異なる次元の思考法に原理的思考があります。

原理的思考とは、特定の関心のもとで哲学的に考えていけば誰もが了解せざるを得ない可能性の理路を探求する方法です。

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言いかえるとこれは、意見が分かれそうな仮定は極力排除し、大勢が「なるほど!」と思わざるを得ない物事の中心に迫っていく思考様式であると言えるでしょう。

原理的思考は別名、哲学的思考です。

ぼくの理解では、原理的思考はクリニカルリーズニング(臨床的思考)とは異なって、事実から判断へという直線的な思考を歩みません。

むしろこれは、われわれが事実として認識してしまっている事柄の理由を根底から問い直し、その意味をつかみ直したうえで、よりメタなフレームワークを構成するようなところがあります。

原理的思考の基本方法はいったんゼロベースで考え直すことにあるので、事実から考えはじめるクリニカルリーズニング(臨床的思考)に比べると相対的に深いところから考えることになります。

素朴に考えると、事実はひとつですが、よくよく考えるとそれぞれ異なる世界観の中でしか生きられない以上、ひとつしかない事実でも複数の捉え方があるなどし、意見が錯綜することも珍しくありません。

それによって生じる問題を、ぼくは信念対立と呼んでいるわけですけども、事実から判断へと直線的に進むとこの事態に上手く対応できません。

こーゆーときは原理的思考で事実だと感じちゃっている事案を内省し、一段下(あるいは上)の次元に視点を移行させ、全体を整理し直す必要があります。

作業療法士は臨床的思考も原理的思考も!

臨床的思考と原理的思考はどっちも大切です。

ぼくが考えている原理的思考は、クリニカルリーズニング(臨床的思考)研究の分類の中にでてきません(断片は出てきますが)。

でも、ナイーブに事実ベースで考えていくとどうしても行きづまることがあり、そうした状態にブレイクスルーをもたらすためには原理的思考が有益です。

特に作業療法士は歴史的にみても信念対立に振りまわされてきたところがあるので、それを根こそぎ終わらせる可能性の方法である原理的思考は希望になるはずです。

どちらの考える技術も使えるようになりましょう!

  • この記事を書いた人

Makoto KYOUGOKU

-信念対立解明アプローチ

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