作業療法の新定義はなぜ注目されるのか

投稿日:2018年5月29日 更新日:

本記事では「日本の作業療法の定義が新しくなったけど、どうしてそんなに注目されているの?」という疑問にお応えします。

本記事のポイント

  • 新しい定義は作業療法の本質である作業に根ざした実践を反映しており、そのためとても注目されています
  • 新しい定義を理念・指針に実践しましょう

作業療法の新定義を紹介する記事のPV数

うちのBlogでも作業療法の新定義を紹介する記事を書いたら、わずか2日のあいだにその記事単独で16,000pvを記録しました。

当社比としては群を抜いて多いです、笑。

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この仕事を成し遂げられた先生方に敬意を送るとともに、なぜこれほど多くの人が作業療法の新定義に関心をもつのか、を考えざるを得ないわけです。

作業療法の新定義が注目される理由

いろいろ理由はあるでしょうけども、大きな結び目を言えば、これが従来のそれと比べて、新しい定義が作業療法の本質を反映した内容に近似しているということが挙げられるでしょう。

作業療法の創設期をふり返ると、この領域は当初から作業を通して健康と幸福を促進する、という特徴がありました。

初期型作業療法は理論的には脆弱なところがありましたが、作業を通して健康と幸福を促進するという視点はきちっとしていました。

それは以下の作業療法の古典を読むとよくわかります。

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ところが、第一次世界大戦とその後の機械論パラダイムの台頭によって、作業を通して健康と幸福を促進するという立場が歴史の表舞台からいったん消え去ることになりました。

そして、作業の代わりに、作業療法は理学療法などの他の領域に類似した方法を用いるようになり、作業療法と理学療法の違いがわからない、という事態を呼び込むことになりました。

第二次世界大戦後、日本に導入された作業療法は、この混乱期の作業療法でした。

導入のタイミングの悪さは、その後の日本の作業療法の発展にかけられた呪いのように機能しはじめることになりました。

本来、作業療法と理学療法はぜんぜん違うのに、現在もその違いについて明確に理解されていないんですから。

両者の違いがわからない人は以下の記事をどうぞ。

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さて、定義はその領域の理念・指針として機能します。

理念・指針がおかしいと、その元で動く人たちは混乱し、余計に苦労します。

作業療法の新定義は、作業療法の創設期にはきちんと機能していた作業療法の本質(理念・指針)を現代に復刻する試みです。

日本でもようやくこの領域本来の実践が公式に宣言された。

それによって、作業療法にかけれた呪いから解放される。

そういう期待があるから強い関心を呼ぶのではないか、と思うわけです。

後は本丸の「理学療法士及び作業療法士法」の改訂ですね。

これがきちんと、作業療法本来のかたちになったとき、本当の意味で日本の作業療法がその本質を現代化できるでしょう。

まとめ

本記事では「日本の作業療法の定義が新しくなったけど、どうしてそんなに注目されているの?」という疑問にお応えしました。

新定義を実質化する実践を重ねていきましょう。

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