新しい物好き!?【現代作業療法は創始者たちのアイデアの現代化です】

投稿日:2018年6月13日 更新日:

本記事では「新しいもの好きが、作業に根ざした実践(OBP)に取り組んでいるんじゃないの?」という揶揄にお答えしています。

本記事のポイント

  • 「作業療法=作業に根ざした実践」です
  • 作業を通して健康と幸福を高める、というアイデアは古くて新しいです

作業療法の歴史

人類にとって、作業(occupation)が特別な価値を持つ、と最初に見抜いたのは哲学者のジョン・デューイです。

作業(occupation)という概念は(教育)哲学から始発したものであり、彼は「作業は教育媒体である」という考え方を実践に結びつけました。

それによって、現代産業社会のみならず、民主主義の発展に寄与しうる教育のあり方を示そうとしました。

作業療法の創始者たちはデューイから薫陶を受けつつ、「作業は治療媒体である」という独創的な考え方を導きだしました。

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世界最古の作業療法の定義

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デューイも作業と健康について言及していたものの、作業療法の創始者たちは医学、看護学、社会福祉、芸術、教育、道徳療法、アーツアンドクラフト運動などとミックスすることによって、それをさらに体系的に構築していったわけです。

これは1900年前後の出来事です。

その後、第一次世界大戦、世界大恐慌、第二次世界大戦という世界史的転回を受けて、作業療法は還元主義に偏重してしまい、作業という概念そのものを使わなくなってしまいました。

現代作業療法は古くて新しい

現代の作業療法は、その反省にたって作業を通して健康と幸福を高めるというテーゼを錦の御旗にしています。

これは新しい考え方のようにみえますが、作業療法誕生の土台にあったものです。

なので、「作業を通して健康と幸福を高める」という考え方は新しい物好きに好まれる、という揶揄を言う作業療法士がいますが、それは単なる誤解あるいは不勉強だということになります。

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