
本記事の内容
- 老害の意味が理解できる
- 老害の理由と対策がわかる
- 誰でも老害になりえる理由がわかる
結論:老害の理由と対策
誤解を恐れずにさくっと言うと、老害という構造が成立する条件(理由)はおそらく以下の通り。
老害の理由
- 老害=元々の性格の悪さ×年功序列
なお、病や障害によって老害と呼ぶような言動を行っちゃう人もいますが、それは医療や福祉の対象なのでここでは除外しています。
次に、上記の条件から導かれる対策は以下の通り。
老害の対策
- 良いときも悪いときも一定の距離を保つ
- 年功序列はスルーする
では、その理路を述べます。
なお、構造が成立する条件を紐解く思考法は以下の記事で紹介した書籍を読むとできますので、関心がある人はどうぞです。
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老害の理由
老害って何?
老害の辞書的意味は以下の通り。
「組織や社会で幅を利かせすぎて言動が疎まれる高齢者、あるいは、傍若無人な振る舞いによって若者に必要以上の負担や迷惑をかけている高齢者などを指す表現」(引用元:weblio辞書)
これを前提にすると、老害は高齢者が必要以上に幅を効かせ、周囲(特に若手)の活躍を阻害する状態であると言えます。
では、高齢者はみな老害化するかというと、そんなことはまったくありません。
中年や青年以上に柔軟で、素敵な言動の高齢者もいっぱいいます。
ぼくも憧れの高齢者がいます(例えば池田清彦先生)。
ということは、老害は迷惑な高齢者を指しているものの、それを加齢だけで言い当てることは難しいと言えます。
老害という構造が成立する条件
高齢者が若手の足を引っ張りながら勝手気ままに振る舞うと老害と呼ばれるわけです。
しかし、上述したように加齢の説明力はあまり高くなさそうだと考えられます。
「若手の足を引っ張りながら勝手気ままに振る舞う」という事象から加齢を引き算すると、残るのは「元々の性格の悪さ」になります。
「性格って何?」という問題はありますし、そもそも実体としてそれがあるかどうかは不明ですが、本記事ではさしあたり感情・思考・認知の傾向として位置づけておきます。
この傾向は変わるものなので、プロセスとして理解する必要があります。
そのうえで、性格が悪い人って感じちゃう人の特徴は何かというと、たぶん以下の通り。
性格が悪い人の特徴
- 自己中心的である
- 他者への配慮に欠ける
- 意見を押しつける
- 自分の価値観にあわないことは全否定する
- 短気で怒りっぽい
- 粘着気質である
- 他人に責任をなすりつける
- 直ぐケチをつける
- 嫌がらせする
- 他人を馬鹿にしたり、都合よく利用したりする などなど
性格が悪い若い人は単に「性格が変」といわれたり、「気難しい人」「ややこしい人」「面倒くさい人」などと証されているはずです。
場合によっては、老害から援用して「若害」と呼んだり、中年だったら「中害」と呼ばれることもあるでしょう。
いずれにおいても、「若手の足を引っ張りながら勝手気ままに振る舞う」という老害から加齢を引き算すると、残ってくるのは「元々の性格の悪さ」です。
でも、単に性格が悪いだけでは、上記に示した老害の定義である「組織や社会で幅を利かせすぎ」というところには妥当しません。
元々の性格の悪さが老害として機能するには、加齢によって性格の善し悪しに関係なく権力を発揮できる土壌が必要です。
そう、年功序列です。
年功序列とは年齢を重ねていけば権限が高まるシステムです。
若者や中年なら「性格の悪いやつだ」ですんでいたことでも、年功序列というシステムによって権限がエスカレーター式に上昇していくと、自分勝手な振る舞いによって組織や社会を疲弊させるパワーを帯びるわけです。
そう考えると、老害という成立する条件は以下のようにまとめられると考えられるわけです。
老害の理由
- 老害=元々の性格の悪さ×年功序列
老害の対策
老害という構造が成立する条件がわかれば、その対策も見つけやすくなります。
本記事では以下の対策を解説します。
老害の対策
- 対策①:良いときも悪いときも一定の距離を保つ
- 対策②:年功序列はスルーする
対策①:良いときも悪いときも一定の距離を保つ
「老害=元々の性格の悪さ×年功序列」という方程式で表せると仮定すると、基本的な関わり方は「良いときも悪いときも一定の距離を保つ」ことが重要です。
上記の特徴をみればわかるように、性格の悪い人の気分や行動はとても偏っており、不安定な人間関係を形成しがちです。
周囲の人は、関係性が良いときに近づいても、自己中心的な言動や他者配慮の欠落などで振りまわされて、傷つき疲弊しがちです。
他方、関係性が悪くなったからといって距離を置くと、粘着気質なところがあるのでネチネチと攻撃してきますし、ときに嫌がらせしてきたりもします。
なので、ぼくたち自身も都合が良いときに仲良くし、都合が悪くなれば距離を置くという対応を止める必要があります。
どっちにしても振りまわされるわけですから、危ない匂いがしたら一定の距離をとってそれを維持するという対応がベターです。
それによって、老害の影響力を削ぐことができます。
対策②:年功序列はスルーする
次に、「老害=元々の性格の悪さ×年功序列」という方程式で表せると仮定するならば、年功序列を無視するという態度も必要です。
「年齢を重ねてもバカはバカ」というごくごく普通の感度を保ち、年上の人間は無条件で敬うという慣習から抜けだすようにしないといけません。
もちろん、高齢者の中には尊敬に値する人はいくらでもいます。
またそれと同様に、年齢が下でも尊敬に値する人はいくらでもいます。
尊敬は他者を敬う気持ちなので、本来は年齢に関係なくなりたつものです。
だから、年齢を重ねているから偉いという無条件に認める年功序列というシステムには無理があります。
「年功序列」によって「元々の性格の悪さ」がある人でも傍若無人に振る舞いやすくなります。
それによって、組織や社会が疲弊しているところがあるわけですから、この問題を解消するためには「年齢を重ねていてもバカはバカ」という視点をもつようにしましょう。
もちろん、老害と呼ばれる人の中には過去に圧倒的な実績を残している人もいます。
しかし、過去に実績を残していることは、傍若無人な言動の免罪符にはなりません。
また、「年功序列」が過去の実績を過剰に大きくみせることに貢献し、さらに傍若無人な振る舞いを促進しやすくしていることも考えられます。
もし「昔はすごかったから老害でも仕方がない」と思っている人は、年功序列の呪いに絡めとられていると気づくべしです。
みんな老害になる可能性がある
ただし、ぼくも含めてみんな老害になる可能性はあります。
もう一度確認すると、老害の辞書的意味は以下の通り。
「組織や社会で幅を利かせすぎて言動が疎まれる高齢者、あるいは、傍若無人な振る舞いによって若者に必要以上の負担や迷惑をかけている高齢者などを指す表現」(引用元:weblio辞書)
どんな言動がうとまれるかは、すべて関心や欲望によって規定されます。
また、どんな振る舞いが必要以上の負担や迷惑になるかも、すべて関心や欲望によって変わってきます。
これは志向相関性の原理といって、あらゆる意味・価値・存在の成立を底の底から支えています。
ぼくにとっての益は、あなたにとっての害かもしれません。
他方、あなたにとっての益は、ぼくにとっての害かもしれないわけです。
同じく、ぼくは自分自身を性格が良いと思っていても、異なる欲望をもつ人にとっては「性格の悪い人」かもしれません。
もちろん、ぼくがある人に対して性格が悪いと思っても、別の人は聖人と思うかもしれませんね。
そう考えると、本記事を書いているぼくも老害と見なされている可能性があるわけでして、老害を論じるときは自分自身もそうであるという前提で論じる必要があります。
老害という感度がいつはじまるかはわかりませんが、上下関係(年功序列)を意識しはじめる中学生ぐらいから同様の感度をもつことが可能かもしれません。
そう考えると、「13歳以上はみんな老害」という暴論もなりたつかもしれませんね。
まとめ:老害の理由と対策
本記事では「老害をふりまく人にとても困っています。どうしたらよいですか?」という疑問にお答えしました。
ちょー簡単に抽象化すると、老害という構造が成立する条件(理由)はおそらく以下の通り。
老害の理由
- 老害=元々の性格の悪さ×年功序列
また、上記の条件から導かれる対策は以下の通り。
老害の対策
- 良いときも悪いときも一定の距離を保つ
- 年功序列はスルーする
単純かし過ぎたので例外もいろいろあるかもですが、老害の洞察を深めるきっかけになればうれしいです。
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