空気を読めない作業療法士が対象者とのコミュニケーションでミスる理由

きょうごく
本記事では「上司から『対象者とコミュニケーションするときは空気を読め。無駄話ばかりするな』と注意されました。ちゃんとお話ししているのに、なんで『無駄話』なんていうのだろう」という疑問にお答えします

本記事の内容

  • 空気を読めない作業療法士が対象者とのコミュニケーションでミスる理由
  • 空気を読めない作業療法士のための対象者とのコミュニケーションのポイント
  • 空気を読めない作業療法士におすすめのコミュニケーション本

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空気を読めない作業療法士が対象者とのコミュニケーションでミスる理由

結論:対象者の関心と状況にあったコミュニケーションができない

結論をいうと、空気を読めない作業療法士は、対象者の関心と状況にあったコミュニケーションができないことが多いです。

理由は、空気を読むとはその場の雰囲気から自他の立場を推察することでして、それがうまくできないためにちぐはぐなやりとりに陥りがちだからです。

具体例をお示しすると以下の通り。

具体例その①

わんた
対象者の関心「(歩けるようになりたい)」
作業療法士の発言「休日に日帰り温泉旅行に行ってきました」
うさたん
わんた
対象者の気持ち「(だから何やねん)」

具体例その②

わんた
対象者の関心「(早く職場復帰したい)」
作業療法士の発言「最近忙しくて寝ていないんですよ」
うさたん
わんた
対象者の気持ち「(知らんがな)」

具体例その③

わんた
対象者の状況「(なかなか治らないので不安)」
作業療法士の発言「ぼくらの給料安いんっすよねぇ。転職しようと思うんですけど、どう思いますか」
うさたん
わんた
対象者の気持ち「(どうでもええから、わしのリハビリに集中してくれ)」

具体例その④

わんた
対象者の状況「(長引く入院生活つらい)」
作業療法士の発言「昔こう見えてもワルだったんですよ」
うさたん
わんた
対象者の気持ち「(・・・)」

こんな感じで、その場の雰囲気から自他の立場を推察するチカラが不自由だと、コミュニケーションでミスります。

よくある疑問:自己開示は信頼関係の構築に役立つのでは?

「一見すると無駄話でも、作業療法士側の自己開示は信頼関係の構築に役立つのでは?」と疑問に思う方がいます。

確かに自己開示は距離感を詰めるので、信頼関係の構築に役立つことはあります。

けど、自己開示によって信頼関係を構築するには、相手が「この人のことを知りたい」と思っていないと無理ゲーです。

例えば、ぜんぜん興味を持てない人に突然「実は私はね、、、」と自己開示されたら戸惑いませんか??

場合によっては、しんどいし、ちょっと気持ち悪い、、、と感じるかもですよね。

その場の雰囲気から自他の立場を推察できていれば、自己開示で信頼関係の構築もうまくやれるかと思いますが、本記事で想定しているケースでは難しいと思います。

よくある疑問:対象者も会話を楽しんでくれているのでは?

「対象者も会話を楽しんでくれているのでは?」と疑問に思う方がいます。

確かにそういうこともあるかと思います。

けど、楽しい会話をできる作業療法士は、その場の雰囲気から自他の立場を推察し、絶妙なタイミングで気持ちが安らぐやりとりができます。

なので、そういう方は冒頭のような注意を受けることはまずないです。

周囲から「対象者とコミュニケーションするときは空気を読め。無駄話ばかりするな」と注意されるときは、対象者も会話を楽しんでいるように感じているのは自分だけ、、、という状態に近いと思っておけばOK。

まずは自身の認識を疑うところからはじめましょう。

空気を読めない作業療法士のための対象者とのコミュニケーションのポイント

上記の例のような状態に陥らないためには、以下のポイントに焦点化したらOK。

主なポイント

  • その①:関心
  • その②:状況
  • その③:方法

立場は関心と状況によって規定されますから、まずここにしっかりフォーカスしてください。

次に、対象者の望ましい未来に近づくために方法について詰めましょう。

その①:関心

コミュニケーションのミスを減らすためには、対象者の関心に配慮すべしです。

関心に根ざしていけば、コミュニケーションをかみ合わせやすくなるからです。

具体例

例えば、対象者が望んでいる目標(関心)について確認していきましょう。

また、目標が決められない場合、背後にある関心を整理することによって、意志決定を支援させてもらうべしです。

あらゆる意味は関心によって規定されるので、対象者の関心にそいつつ関わっていきましょう。

こんな感じで、対象者の関心に十分配慮したかたちでコミュニケーションすべしです。

ただし、関心はどんどん移ろうので、一度の配慮ですべてOKと思ったらダメですよ。

その②:状況

また、コミュニケーションのミスを減らしたければ、対象者の状況把握に取りくめばOK。

状況を把握できていれば、奇妙なコミュニケーションを行うリスクを減らせるからです。

具体例

例えば、対象者の過去、現在、未来の暮らしについて興味をもってやりとりすべしです。

また、周囲の人が何を望んでいるのかもきっちり押さえましょう。

あらゆる意味は状況によっても規定されるので、対象者が置かれている状況を把握しつつ関わっていくとよいです。

こんな感じで、奇妙なコミュニケーションを減らしたいなら、対象者の状況に十分配慮したコミュニケーションを行うべしです。

もちろん、状況もどんどん変わるので、一度の状況把握で済ませようとするのは無理ゲーです。

その③:方法

最後に、コミュニケーションのミスを減らしたいなら、対象者とのあいだで方法についても詰めるべしです。

関心と状況を踏まえたうえで、どんなやり方なら目標を達成できそうかを明確にすると、やりとりにエラーが生じにくくなるからです。

具体例

例えば、目標(関心)が職場復帰なら、どんなやり方でやると達成できる確率が高いかを共有すべしです。

対象者と直にやりとりできない状態なら周囲の人とやればOK。

あらゆる方法は関心と状況によって規定されるところがあるので、そこから外れないように注意しつつ方法を詰めましょう。

こんな感じで、コミュニケーションのエラーを防ぎたいなら、関心と状況を押さえたうえで方法に焦点化したやりとりを行えばOK。

もちろん、関心と状況はどんどん移ろうので、方法もまた時々で変わりますから、振り落とされないようにしっかり興味を持ち続けましょう。

空気を読めない作業療法士におすすめのコミュニケーション本

心理学・脳科学をベースに効果的なコミュニケーションの取り方を学べます。

ワークもあるので、スキルとして定着させることも可能です。

空気を読みつつ上手にコミュニケーションすべし。

まとめ:空気を読めない作業療法士が対象者とのコミュニケーションでミスる理由

というわけで今回は以上です。

空気を読めない作業療法士は、対象者の関心と状況にあったコミュニケーションが難しいです。

なので、その場の雰囲気から自他の立場を推察するために、関心・状況・方法についてしっかり興味をもちましょう。

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