
本記事のポイント
- ベイズ統計の概要を数式なしでサクッと理解できます
- 初心者がベイズ統計を学べる本【厳選4冊】を知ることができます
- 文章よりも動画で学びたい人向けにおすすめ無料動画も紹介しています
ベイズ統計は現場のニーズに応えやすい
ベイズ統計は、データに対して統計モデルを当てはめ、パラメータを計算する方法にベイズ推定を活用するものです。
ベイズ推定は、手元にあるデータから得られる尤度と事前分布の積に比例する事後分布を生成し、事後分布を重みづけて積分することによって予測分布を求める方法です。
「よくわからない」と感じた人は、後で紹介する書籍や動画を見ていただきたいですが、そういう方法でパラメータを計算することで、ベイズ統計は解釈がしやすい、意志決定を支援できる、複雑な統計モデルも柔軟に使える、研究仮説が正しい確率を計算できる、過学習を防げる、などいろいろな利点をもたらしてくれます。
具体的には、「明日、病院に来る患者さんが20名以上になる確率はどれくらいだろう?」とか「A障害をもつ方々に対するB治療とC治療を比較して、B治療の方が効果があるという研究仮説が正しい確率は90%以上あるか?」などといった問いに答えることができます。
もちろんこれは、使用した統計モデルを前提にする限りにおいて、という限定つきです。
でも、こうした問いに従来の方法は答えられなかったと考えると、ぼくはベイズ統計ってとても魅力的な方法であると思います。
ベイズ統計のおすすめ入門書5冊
ここから、ベイズ統計のおすすめ入門書を紹介します。
データ解析のための統計モデリング入門――一般化線形モデル・階層ベイズモデル・MCMC
本当に名著です。
高度な内容を平易に論じていますし、具体例も図表も豊富で理解しやすいです。
従来の統計(最小二乗法、最尤法)の説明も多くあり、その利点と欠点を確かめながら徐々にベイズ統計へと論を進めていくので、「なぜベイズ統計が必要なのか?」を理解しやすいです。
未読の方は必ず読んだ方がよいです。
心理統計法ーー有意性検定からの脱却
放送大学教材ということもあって、かなり基本的なところから丁寧に説明してくれています。
頻繁に使用される2群の差の分析、1要因・2要因の実験分析、相関分析、単・重回帰分析などでベイズ統計を実行する考え方と方法がわかります。
また、特におすすめは、研究仮説が正しい確率について解説しているところです。
これは、現場のニーズに応えやすい特徴でもあるので、本書で理解を深めるとよいです。
StanとRでベイズ統計モデリング
これも名著です。
ベイズ統計モデリングの基礎、モデリングの手順、確率分布、難所など明解に論じています。
ベイズ統計を実施するためには、Stanに代表される確率的プログラミング言語を理解した方がよいです。
本書はわかりやすい解説とともにStanコードもたくさん例示しているので、実際にコードを書き写しながら読み進めると理解が深まります。
ベイズ統計の理論と方法
上記3冊に比べると難易度はかなり高めです。
けど、ベイズ統計の正確な理解のために、初心者のときからぜひとも読んでおきたい名著です。
ベイズの数理的な基礎から丁寧に解説しており、何度も丁寧に読んでいるうちに理解が深まります。
ベイズ統計は、わかりやすくするために割とキャッチーな説明が多かったりするのですが、すると基礎となる数理からはちょっと距離がある内容になったりするんです。
でも、キャッチーな説明だけ読んでいるとそれがよくわからない。
でも、本書は正確に解説してくれているので、いろいろな疑問を氷解してくれます。
ベイズ統計入門のおすすめ無料動画
文章理解よりも聴覚理解が有意な人もいます。
そうした場合、動画で学ぶとよいです。
おすすめは以下の無料動画です。
まとめ
本記事では「ベイズ統計が注目されているというけど、いまいちよくわからない。これからベイズ統計を学びたい人におすすめの書籍はあるのだろうか?」という疑問にお答えしました。
ベイズ統計は使えるようになると、できることが増えるのでぜひ関心がある人は学んでいきましょう。