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【2018年版】作業療法士のための失敗しない大学院の選び方【教員が語る】

Makoto KYOUGOKU
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京極真
京極真

本記事では「作業療法士です。大学院に進学したいと考えています。失敗しない大学院の選び方を教えてください」という疑問にお答えします

本記事のポイント
  • 最大のポイントは指導教員の選び方です
  • 研究室の文化も重要です

※大学院進学に関して記事を以下にまとめています。大学院進学を考えている人は参考にどうぞ!!

失敗しない大学院の選び方その①:指導教員の教育力

大学院進学の成否は大学の知名度などではなく、「指導教員」選びにかかっています。

変な指導教員を選ぶと、数年間の大学院生活は悲惨です。

通常、指導教員の研究力を一番に考えがちですが、大学院選びで失敗しないためには指導教員の教育力を一番に考えたほうがよいです。

ぼくの経験上、研究力と教育力はちょっと違っていて、研究力はあっても教育力がない大学院教員はいくらでもいます。

例えば、スポーツでも名プレイヤーが名監督になれないことは普通にありますよね。

それと同じです。

指導教員に研究力はあるけども教育力が乏しい場合、指導教員の名声のわりには目立った後進が育っていません。

なので、指導教員を選ぶときは、その先生が指導した大学院生・大学院修了生の中に活躍している人が複数名いるかどうかを調べるとよいです。

大学院は教育機関でもあるので、大学院生の研究力を育てることができる教育力をそなえた指導教員を選ぶべしです。

失敗しない大学院の選び方その②:指導教員の研究力

もちろん、指導教員の研究力も高い方がよいです。

指導教員の研究力は研究論文、著書、獲得した研究費などを調べればだいたいわかります。

ぜひpubmedciniiGoogle Scalarなどで調べてみましょう。

大学院教員の中には、かつて活躍していたけども、いまはさっぱりという人もいます。

なので、研究力を見るときは、過去5年間で発表した研究論文、著書などがあるか否かを調べるとよいです。

また、研究力を見るには、発表された研究業績の質も重要です。

その質は、当該領域に影響を与えるような知見を発表しているか、新しい手法を用いてユニークな研究を行っているか、などの観点からみると判断しやすいだろうと思います。

失敗しない大学院の選び方その③:指導教員の人柄

大学院進学で失敗しないためには、指導教員の人柄もかなり重要です。

大学院教員の中には難しい性格の人もいらっしゃいます。

その場合、指導関係を通してアカハラ、パワハラを味わいつくすことになります。

指導教員の人柄を知るためには、研究室に訪問し、大学院生やポスドクとのコミュニケーションの取り方を観察するとよいです。

大学院生やポスドクが萎縮していたり、奥歯に物が挟まったような言い方をしているようでしたら、指導関係に何らかの緊張があるだろうと予測できるでしょう。

また、指導教員と自分の相性が良さそうかどうかも考慮しましょう。

ただ、相性は時間経過とともに変わるので何とも言えないところもありますが。

失敗しない大学院の選び方その④:研究室の雰囲気

大学院選びで失敗しないためには、指導教員だけでなく研究室の雰囲気も知る必要があります。

研究室の雰囲気は研究室訪問すればだいたいわかります。

例えば、指導教員はめちゃくちゃ有名で活躍しているのに、実は研究室内には猜疑心が満ちているということは普通にあります。

また、研究室内に研究文化が育っておらず、研究室メンバーが積極的に研究に取り組んでいないこともあります。

他にも、困っている研究室メンバーがいるのに、先輩、同期、後輩の誰もが助けないところもあります。

こうしたことは、研究室訪問すると皮膚感覚レベルでキャッチできるものです。

研究室訪問で「あれ?何か雰囲気が変だなぁ」と感じたら、ちょっと注意した方がいいです。

失敗しない大学院の選び方その⑤:学問の自由

科学が発展する原動力は学問の自由です。

学問の自由が体現できていない研究室に所属すると、研究を通してイノベーションを引き起こそうとしてもなかなかうまくいきません。

なので、否定も肯定も含めて、さまざまな意見を自由闊達に言いあっている研究室を選ぶ必要があります。

これを見抜くコツは研究室訪問し、できれば実際のゼミの場面を見させてもらうことです。

研究室メンバーが指導教員の顔色ばかりうかがって、自由に意見を言えていないようであれば、学問の自由は体現できていなかもしれません。

また、特定の学派以外を否定しまくるような意見が主流であれば、それも危ういです。

できる限り、大学院進学前にその研究室が自由に意見を戦わせることができているかどうかを感じとりましょう。

まとめ:【2018年版】作業療法士のための失敗しない大学院の選び方【教員が語る】

本記事では「作業療法士です。大学院に進学したいと考えています。失敗しない大学院の選び方を教えてください」という疑問にお答えしました。

大学院選びはその後の人生に影響する可能性があります。

しっかり研究できるところを選びましょう。

著者紹介
京極 真
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授。作業療法学科長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『作業療法リーズニングの教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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