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臨床経験の長短と大学院進学

Makoto KYOUGOKU
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京極真
京極真

本記事では、「大学教育に関わる人が、臨床経験の長短だけで、その人の研究者としての可能性を判断するのはどうなの?」という疑問にお答えします

本記事のポイント
  • 診療経験の長短は研究者としての能力に関連しない
  • 優秀な人は何をやっても結果を出せる可能性があるかも

臨床経験の長短は研究者としての優秀さの証しになる!?

結論:臨床経験の長短は研究者としての優秀さに関係ない

臨床経験の長短は研究者としての優秀さの証になるのかというと、ぼくの経験からは関係ないと言えます。

臨床経験の長短に関係なく研究者として優秀な人はいるからです。

しかし、大学院進学において、臨床経験の長さを重視するという判断があるらしいです。

が、ぼく個人はまず臨床経験の長短を考慮しません(システムとしてそうなっているならしたがわざるを得ないかもですが)。

これは、ぼくのこれまでの経験が教えるところです。

臨床経験の長短は、研究者としての優秀さとはほとんど関係ありません。

臨床経験が短くても、伸びる人は驚くほど伸びる。

逆に、臨床経験が長くても、伸びない人は恐ろしく伸びない。

そもそも、臨床経験が長いといったって、たんに薄く長いのかもしれない。

もちろん、それが短ければよいという話ではまったくありません。

臨床経験が短いために、思考が深まらず、箸にも棒にもかからない、ということは普通にあることです。

※大学院進学に関して記事を以下にまとめています。大学院進学を考えている人は参考にどうぞ!!

優秀な臨床家は研究者としても優秀と言えるのか?

結論:優秀な臨床家は研究者としても優秀な可能性がある

優秀な臨床家は研究者としても優秀と言えるかというと、研究者としても優秀な可能性はありえます。

それはどうしてかというと優秀な臨床家は、明確に的確な課題を設定し、それを解く方法を考えだし、着実に実行する、というプロセスを自覚的に日頃からやっているからです。

これは、研究で求められることと大枠でほぼ同型なんですよね。

なので、それができているということは、優秀な臨床家が研究者として伸びる可能性は、そうでない場合に比べてあるわけです。

けど、臨床家としては優秀でも、研究しはじめると凡庸なアイデアしか思いつかず、パッとしないということはよくあります。

また、臨床家としては努力しても、研究力を高める努力を怠る人もそこそこいます。

なので、優秀な臨床家が研究者としても頭角を現すためには、過剰な努力をいとわず、しぶとく学び続け、柔軟な発想をドライブさせなきゃいけないかもしれません。

まとめ:臨床経験の長短と大学院進学

京極真
京極真

本記事では、「大学教育に関わる人が、臨床経験の長短だけで、その人の研究者としての可能性を判断するのはどうなの?」という疑問にお答えしました

大学院教育に関わる人は、臨床経験の長短だけで、その人の研究者としての可能性を判断しないようにね。

もったいないですよ。

まぁ、何をもって優秀というのかはまた別のお話ですが。

著者紹介
京極 真
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授。作業療法学科長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『作業療法リーズニングの教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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