【2018年度版】根源から作業療法を理解するためのおすすめ哲学書10選

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本記事では「作業療法の背景には哲学があるっていけども、何を読めば深く強く理解できるの?」という疑問にお答えします。

本記事のポイント

  • 作業療法を根源から理解したいときは経験哲学、プラグマティズム関連の哲学書を読みましょう
  • また作業療法に影響したプラグマティズムに関連する哲学書も読もう

前置き

そもそも「哲学ってなに?」という人は、本記事で紹介する哲学書から読むと挫折します。

そういう人は、以下の記事で紹介した書籍から読んでください。

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作業療法と哲学

ルーツから考えると、作業療法には哲学的実践論という要素があります。

理由は、作業療法の成立に哲学が色濃く影響しているからです。

それは、作業療法の歴史研究に関する文献を読むとよく理解できます。

作業療法の技術的な発展は、2度の世界大戦で負傷した人々の治療と社会参加の促進という取り組みが決定的な影響を与えています。

でもそれは、作業療法の成立に哲学が影響を与えたの話です。

ということは、根源から作業療法を理解するためには哲学の理解が欠かせないという話になります。

哲学的実践論という側面がある以上、ものの見方・考え方を理解することが実践に影響を与えるからです。

おすすめの哲学書10選

では、どのような哲学書を読むと、作業療法を根源から理解できるようになるか。

一番のお薦めは、2600年ぐらい前から現代に至るまで、時代の風雪に耐えぬいてきた主要な哲学書を全部通読することです。

作業療法の専門家は、できればこれやったほうがよいです。

ぼくも15年以上かけて、四苦八苦しながらやってます。

しかしいきなりそれやると挫折する人もいると思います。

なので、作業療法の成立前後で影響を与えたプラグマティズムに関連する書籍のうち、最低限これだけは読んでおくべきという哲学書を紹介しておきます。

プラグマティズム古典集成

作業療法の成立に直接影響を与えたプラグマティズムの主だった17の古典論文が一冊にまとまっています。

作業療法は、どういう哲学を基盤に形成された実践論なのか、を理解できます。

詳しい解題もついているので理解を促進してくれます。

連続性の哲学

プラグマティズムを提唱したパースの宇宙論です。

思考・感情・行動の連続的な広がりが論じられています。

本書は、過去の作業が現在の作業に影響を与え、現在の作業が未来の作業につながるというアイデアの源泉にあたります。

プラグマティズム

パースのプラグマティズムを有名にしたジェームスのプラグマティズム論です。

プラグマティズムが信念対立を克服するための哲学であり、それがいかに現実的な考え方なのかがよくわかります。

ジェームスとその哲学は、作業療法哲学を提唱したアドルフ・マイヤーに公私にわたって影響を与えました。

心理学

表題は「心理学」となっていますが、プラグマティズムの実践論といえる内容です。

意志、習慣、遂行、環境の重要性を明瞭に論じています。

マイヤーの作業療法哲学に基礎を与えた重要文献です。

学校と社会

表題は「学校と社会」で哲学書っぽくないですが、実は立派な哲学書(教育哲学)の古典です。

ヂューイはマイヤー、スレイグル、トレーシーのお師匠さんです。

本書は世界初の作業療法の教科書や作業療法哲学に決定的な影響を与えた超重要文献です。

ただし、ぼくの理解では、本書の意味を理解するためには、デューイの全著作を読む必要があります。

種の起原

進化論は、作業療法の源流に位置する道徳療法の衰退に間接的な影響を与えましたが、実はデューイを通して100年前の作業療法の成立に影響を与えています。

進化論と作業療法はなかなか複雑な関係を持ってます。

本書は、作業と人間の本質的な関連性を理解するうえで重要な意味を与えてくれます。

純粋理性批判

本書は、作業療法の哲学的基盤であるプラグマティズムに影響を与えました。

語源であるプラグマは実践や行動という意味であり、本書で示された仮言命法のうち経験を軸にした幸福の追求という考え方がプラグマティズムに発展的に継承されました。

現代作業療法の作業は人間の経験であり、well-beingに影響を与えるという考え方の基礎づけにつながります。

人間知性論

イギリス経験論を代表する著作のひとつで、プラグマティズムに影響を与えました。

ざっくり言うと、本書は、人間の日々の営みの解明に焦点を当てており、経験が観念の源泉であるという立場を展開しています。

これは作業療法を理解する上で重要なテーゼで、なぜ経験=作業が欠かせないのかを哲学的に基礎づける役割を提供してくれます。

人知原理論

本書は、ロックの経験論を発展的に継承しています。

最終的に神を持ち出すので理解しにくいところもあると思いますが、作業療法につながる優れた洞察を展開してくれています。

存在することは知覚されるということであるという命題はとても有名です。

人性論

本書の目的は、信念対立を解くために、認識の限界を見極めることだと理解できます。

また本書はロックやバークリーをさらに徹底させた理路で、プラグマティズムに加えて、カントやフッサール現象学にも影響を与えています。

イギリス経験論の最高峰で、人格、認識、習慣、因果関係、信念などといった作業療法の理解に必要な議論が展開しています。

まとめ

ここでは作業療法の哲学的基盤であるプラグマティズムに関連する一部のオススメ書籍を紹介しました。

作業療法は他の哲学の影響も受けてます。

なので関心のある人は、ここからどんどん読み広げていってくだせー。

冒頭でも述べましたが、「うーん。難しそう!」という人は以下の記事で紹介した文献から読むとよいですよ。

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