作業療法の目標設定には個体差が含まれる件【対策も解説】

2019年6月1日

きょうごく
本記事では「作業療法の目標設定のコツを教えてください」という疑問にお答えします

こんな方におすすめ

  • 作業療法の目標設定のコツが知りたい
  • 作業療法の目標設定の本質を理解したい

本記事を書いているぼくは作業療法士でして、作業療法学の博士号をもっています。

主な専門は精神領域の作業療法であり、「精神領域の作業療法」という教科書の編集にもかかわっています。

本記事ではそんなぼくが上記の疑問にさくっとお答えします。

作業療法の目標設定には個体差が含まれる件

結論:作業療法の目標設定には個体差が含まれる件

結論から言うと、作業療法で設定する目標には「個体差」が含まれるべしです。

理由は、作業療法の中心的役割は、人それぞれ異なる暮らしを支援する方法だからです。

よく考えたらわかりますけども、暮らしは多様性を極めます。

例えば、あなたはトイレで大便をするときでも、ドアを開けっぱなしでするかもしれません。

けど、他の人はトイレで用を足すときは必ずドアを閉めることだってあるでしょう。

また例えば、あなたは2〜3日は同じ服をきるかもしれません。

しかし、他の人は毎日服を洗うかもしれません。

それは作業療法を必要としている人でも同じです。

日々の暮らしには国家、社会、文化によって一定のパターンがあっても、その内実は人によってぜんぜん違うのです。

あらゆる方法は目標とセットで成り立つ

方法とは、目標を達成するための手段です。

つまり、あらゆる方法は目標とセットで成り立ちます。

作業療法は、多様性を極める暮らしを支援する方法です。

ということは、目標もまた多様性を反映したものにならなきゃいけないということです。

方法は多様なのに、目標は一様である、というのはほぼありえないです。

多様な生活を支援する作業療法は、設定する目標に個体差が含まれないというのは考えられないです。

作業療法の目標設定の例

個体差なしの目標設定の例

理解を促すために、まずは個体差なしの目標設定の例を示します。

具体的には以下の通りです。

個体差なし

  • 麻痺手の実用主機能の獲得
  • 移乗動作の自立
  • 屋外移動の自立 など

上記の例は、相手が誰でも妥当しそうな内容になっておりまして、個体差なしの目標設定の例であるといえます。

作業療法は多様な暮らしの支援の方法なので、個体差なしの目標設定は基本的にマズいです。

個体差ありの目標設定の例

他方、個体差が反映された目標設定の例は以下の通りです。

個体差ありの例

  • 20分程度で簡単な弁当が作れる
  • 三輪の電気自動車で安全に移動できる
  • 片手で魚を三枚に下ろすことができる など

わかりやすくするためにざっくりした例にしています。

けども、これらは担当させていただいている方々の暮らしの個性を反映したものになっているはずです。

具体的な目標の内実は実践環境によって変わります。

しかし、暮らしに焦点化している鍵においては、人それぞれ異なる目標が設定されている必要があります。

自身の目標を振り返って、皆同じ目標になっていたら要注意です。

没個性な目標設定もあり!?

「実践環境によっては、設定する目標はある程度没個性になることがあるのではないか」とおっしゃられる方もいます。

それは確かにその通りで、例えば急性期の整形外科領域の作業療法などは、疾患によって実施する作業療法が規定される要素があるので、没個性な目標設定になることもあるかと思います。

ただそうはいっても、そうした領域であったとしても、障害のある心身のもとで暮らししていくことに着目しはじめたら、設定する目標に個性が反映されるものです。

理由は簡単で、暮らしそれ自体が個性のかたまりだからです。

暮らしに密着したときに、没個性というのはほぼありえません。

作業療法で個体差ありの目標を設定するコツ

作業療法で個体差ありの目標を設定するコツは以下の通りです。

コツ

  • その①:作業遂行面接
  • その②:作業遂行観察

その①:作業遂行面接

個体差ありの目標設定するならば、作業遂行面接はやった方がいいです。

過去から現在にわたって、どんな作業をなぜ、どのように行ってきたのかをお伺いしていくんです。

そして、これからどんな作業が必要になってくるかもお聴きしていきましょう。

特定の評価法などは別に使わなくてもよいので、個体差ありの目標を設定したいならば、その人の暮らしぶりについて理解を深める努力を重ねてください。

その②:作業遂行観察

次に、実際に作業している様子を観察しましょう。

暮らしは人間ー作業ー環境の相互作用によって構成されています。

観察するときは、単にやっていることを観るのではなく、人間ー作業ー環境の相互作用に注意しながら観察したらよいです。

ここはちょっとした訓練が必要ですけども、作業療法士ならばできないわけないです。

面接と観察の合わせ技で個体差ありの目標設定する

観察と面接を行えば、その人の暮らしぶりがだんだん見えてくるものです。

すると、おのずと個体差ありの目標設定ができるようになってくるはずです。

例えば「屋外移動の自立」が「三輪の電気自動車で安全に移動できる」へと変わっていくわけです。

作業療法は多様な暮らしを支援する方法なので、設定する目標は個体差ありにしましょうね。

まとめ:作業療法の目標設定には個体差が含まれる件【対策も解説】

本記事では「作業療法の目標設定のコツを教えてください」という疑問にお答えしました。

結論をいうと、作業療法で設定する目標には「個体差」が含まれるべしです。

それぞれのクライエントにあった作業療法を提供してくださいね。

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