広告

作業的存在としての人間の諸次元の理解を深める

本記事では「作業的存在ってなんなの?」という疑問にお答えします。

本記事のポイント

  • 作業的存在とは人間はまったく何もしない状態で生きられず、人間の生を全うするためには何らかの活動を行わざるを得ないという考え方です
  • 作業的存在の諸次元にはDoing、Being、Becoming、Belongingがあります

OBP2.0リーズニング学習支援ツール

今すぐ無料ダウンロードする

※最先端の作業療法理論を使えるようになろう!

作業的存在とは人間理解の中心的概念

人間の存在様式は、立場によっていろいろ規定できます。

社会学者は人間を「社会的存在」と言うでしょうし、人類学者は「文化的存在」と呼ぶかもしれません。

存在様式の規定の仕方は、基本的にポジショントークです。

ぼくたち作業療法士は、作業中心に世界を、人間を理解します。

なので、われわれは人間を「作業的存在」というように呼びます。

作業的存在という人間理解は、作業科学からはじまりました。

当初は、なにやら薄らボンヤリした概念でしたが、だいぶ精緻化されつつあります。

それを図式化したものが、以下です。

作業的存在としての人間という概念は理解しづらいですが、これは要するに人間はまったく何もしない状態で生きられず、人間の生を全うするためには何らかの活動を行わざるを得ないという考え方です。

作業的存在としての人間の諸次元:Doing、Being、Becoming、Belonging

さて、Doingでは、クライエントが意味を感じる活動に関わっているか、意味を感じるであろう活動が実際に行えているか、を評価します。

DoingとBeingでは、クライエントが自分らしいと感じられる活動に関わっているか、その人らしいと思えるような活動ができているか、を把握していきます。

DoingとBecomingでは、クライエントが関わっている活動がどういう未来につながるか、現にクライエントができている活動が将来どのような状態を作りだすか、を評価するわけです。

DoingとBelongingでは、クライエントが意味を感じる活動に関わることによってどんな環境につながっていくか、意味を見いだす活動ができることによってどんな環境に所属していくことになるのか、を把握していきます。

評価は非構成的評価と構成的評価を組み合わせることによって実行できます。

非構成的評価は、自然な状態で行う会話や観察で行います。

構成的評価は、ADOC、CEQ、APCD、AMPS、ESI、COMP、MOHOST、興味チェックリストなどを用いるとよいです。

もちろん、ぼくたちが開発しているAPO、CAODでも大丈夫です。

いろいろ便利な手段はあるので、作業療法士は作業的存在としての人間の評価をしっかり行えるようになりましょう。

もっと詳しく知りたい人のための書籍紹介

作業的存在という視点をさらに詳しく理解したい人は以下の記事で書籍を紹介していますのでぜひどうぞです。

【2018年度版】作業療法の本質を理解したい人へお勧めの和書7冊

【2018年度版】作業療法の本質を理解したい人へお勧めの和書7冊 作業療法という方法によって、クライエントの健康と幸福の向上に貢献したい人は作業的視点を身につける必要があります。 以下にお勧め書籍を挙 ...

続きを見る

【買って損なし!】作業科学を学べるおすすめ本【厳選5冊】

本記事のポイント 作業科学を学ぶと実現する可能性の未来 作業科学を学べる本5冊【厳選しました!】 作業科学ができる大学院に進学するという選択肢も検討しよう! 作業科学を理解したいなら今すぐやるべきこと ...

続きを見る

まとめ:作業的存在としての人間の諸次元の理解を深める

本記事では「作業的存在ってなんなの?」という疑問にお答えしました。

クライエントの理解を深める視点として活用しましょう。

-作業療法