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【対策あり】作業療法士が仕事きついと感じる理由5選

京極真
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本記事では「作業療法士ですが、私も周囲の友人もみな『仕事がきつい』とこぼしています。なんで、そう感じてしまうんだろう、、、。できればその対策も知りたい」という疑問にお答えします

こんな方におすすめ
  • 作業療法士が仕事きついと感じる理由を知りたい
  • 仕事がきついときに、できる対策を教えてほしい

作業療法士が仕事きついと感じる理由5選

ぼくの体験や、その他いろいろな作業療法士からお伺いする作業療法士が仕事きついと感じる主だった理由は以下の通り。

理由
  • その①:信念対立で消耗する
  • その②:非倫理的である
  • その③:責任が重い
  • その④:支援体制がない
  • その⑤:労働条件が悪い

以下それぞれ解説します。

その①:信念対立で消耗する

ぼくが知る限りにおいて、多くの作業療法士が「信念対立で消耗する→仕事きつい」というパターンを体験しています。

これには、作業療法士同士の意見の対立の他に、対象者・ご家族と作業療法士、多職種と作業療法士のそれが含まれています。

ぼくの経験を例示すると、ずっと昔、対象者1人ひとりの個性にあわせた作業療法を実践していたら、上から呼びだされて「効率が悪いから、集団レクだけやってくれたらいい」と言われて、作業療法の効果を優先するのか、経済効率を優先するのかで信念対立を体験したことがあります。

若い頃は尖っていたので、正面から意見の対立を引き起こし、この仕事にうんざりしたことを今でも覚えています。

意見の対立は、不毛な争いに発展しがちなので、それがきっかけになって仕事きついと感じることがあるのです。

その②:非倫理的である

非倫理的な仕事が求められる場合も、仕事きついと感じるきっかけになります。

これには、本来なら作業療法が必要ないと思われる人にも作業療法を提供することや、患者の利益よりも病院・施設の利益を優先するあまりに必要な作業療法を実施すること、ちょろっと介入しただけなのに診療報酬を請求することなども含みます。

見聞する話としては、例えば、組織から求められる単位数をこなすために、これって「意味あるんやろか、、、」とジレンマを感じつつも、ちょちょっと適当に流していくようなアプローチを実施される方がいらっしゃいます。

大きな声ではあまり言われない話しですが、実際にそういうことはそこかしこで起こっています。

自分自身に対しては「必要悪だ」と言い聞かせつつも、蓄積されるジレンマは仕事のきつさにつながっていくものです。

非倫理的な仕事を求められると、きつく感じるのは当たり前の話です。

その③:責任が重い

責任が重いというのも、仕事がきつく感じる理由になります。

これには、人の生命と生活に関わっていくこと、担当する対象者の人生を支援すること、作業療法士としてだけでなく組織のメンバーとして役割を全うすること、などが含まれます。

例えば、ぼくは臨床にどっぷりいた頃は、対象者に関わることそれ自体が責任重大で日々気が重たかったです。
「臨床が楽しい」という感覚はほとんどなかったです。

対象者がちょっとでも望む生活につながるよう、毎日とても必死でした。

そういう原体験があるので、ずっと臨床で奮闘している作業療法士には頭が下がる思いでいっぱいです。

話を戻しますが、臨床ってめちゃくちゃ責任重大な仕事なので、そこに関与し続けること自体が「仕事きつい、、、」という感度をもたらすものです。

その④:支援体制がない

職場に支援体制がないというのも、作業療法士が仕事きつい、、、と感じる理由です。

これには、1人職場で働いていること、職員間で連携ができていないこと、業務遂行に必要な教育体制がないこと、業務量に対して人手が不足していること、などが含まれます。

例えば、今でも1人職場で働く作業療法士はいますけども、そうなると作業療法に関連する業務はすべて自分でやらないといけないわけです。

普段から仕事中はまともに食事をとれない、トイレにもいけない、、、ぐらい忙しいという人もいます。
また、体調が悪くても休めないし、困ったときに気軽に相談しにくいし、悩んだときに助言をもらいにくいです。

孤軍奮闘状態が続くわけなので、どうしたって仕事がきつく感じられるものです。

現代医療は連携が大前提ですから、支援体制がないというだけでその法則に反するわけで、そりゃどうしたって仕事きつくなりますよね。

その⑤:労働条件が悪い

労働条件が悪いのも仕事のキツさにつながります。

これには、業務量が多すぎること、マンパワー不足であること、年収が低いこと、超過勤務が多いこと、残業代が出ないこと、休日出勤がたびたびあること、各種ハラスメントが横行していることなどが含まれます。

例えば、手取り16万円で働いている作業療法士がいらっしゃいましたけども、仕事の責任は重いのに報酬が少ないから「やってられない」とぼやいていました。

また、超過勤務は当たり前なのに残業代が出ない、という職場で働いていた作業療法士は「きつすぎる。いい職場ない?」が口癖でした。

上司の暴言がひどい職場で働いている作業療法士は、精神がポキッとおれてしまってうつになっていました。
もちろん、仕事きつい、、、と吐露されていました。

こんな感じで、労働条件が悪いと当たり前のように仕事がきつく感じられるのです。

仕事きついと感じる作業療法士がやるべき対策3つ

仕事きついと感じる作業療法士がやるべき主な対策は以下の通り。

対策
  • その①:思考停止しない
  • その②:コミュニティにつながる
  • その③:職場を変える

以下それぞれ解説します。

その①:思考停止しない

仕事きついとストレスがたまって判断力が低下するから、思考停止状態に陥りがちです。

そうなると、仕事きついという状態が続いているのに、ただただ我慢するしかない、、、みたいな状態に陥ります。

ひたすら我慢していると、そのうち絶望しはじめて、心がポキッと折れてしまいます。

ひどいときはうつとかになりますから、そうなれば人生に大ダメージです。

なので、仕事きついときこそ、思考停止しないようにした方がいいです。

思考停止を防ぐ方法は「行動する」

少しでも、自分にとってよい状態がやってくるように、ひたすら行動し続けていれば可能性が見いだせるので、思考停止に陥ることなく前に進んでいくことができます。

例えば、信念対立で消耗しているならば、話がわかる人のところに相談にいってみるなど行動したらいいです。
仕事がきついと「何やっても無駄」とか「どうせよくならない」と感じがちですが、ほぼ思考停止からくる妄想です。

それは行動することによって打破できるので、仕事きついときこそ思考停止状態を回避するために行動しましょう。

その②:コミュニティにつながる

次に具体的なおすすめの行動ですが、まずコミュニティにつながるようにしてください。

これには、全国各地にいる作業療法士や多職種とつながる、趣味や特技を共有できる仲間とつながる、目的を共有できるライバルとつながる、などが含まれます。

仕事きついときに孤立すると、精神がさらに追い込まれるので、わりと簡単に絶望しやすくなります。

そうなると、どんどん悪循環に陥っていきますから、それは何とか回避しなければなりません。

その具体策として、コミュニティにつながるというのが、とってもおすすめです。

実際、ぼくも仕事がきついときは、志を共有できる仲間とつながって、苦境を脱したことが何度もあります。

ぼくらは何だかんだで社会的存在なので、コミュニティにつながること自体がチカラになってくれるのです。

逆に、コミュニティから切断されると、それだけでパワーダウンです。

なので、仕事きついときこそ、コミュニティにしっかりつながっていきましょう。

その③:職場を変える

また、仕事がきつい、、、という状態がだんだん強くなっていたり、三ヶ月以上ずっと続いているならば、できるだけ早くそこから抜けだすべきです。

その場合、全体のトレンドが「仕事きつい」を促進している可能性があり、かりにそうであるならば個人の努力ではどうにもならないからです。

そこで我慢して働いても、間違いなくしあわせになれないです。

例えば、上司がクソすぎて、日々耐えるしかないならば、さくっと仕事を変えたらOK。

自分にとっていい職場は必ずどこかにありますから、それを探す努力をやめたらいけません。

常に情報収集し、応募し続けてください。

どこにもいいところがないと、「あぁ逃げ場がない」という気持ちになりますが、そんなことはまったくないです。

めげること自体がリスクなので、自分が心楽しく働ける職場を見つけるために、どんどんチャレンジしましょう。

まとめ:【対策あり】作業療法士が仕事きついと感じる理由5選

本記事では「作業療法士ですが、私も周囲の友人もみな『仕事がきつい』とこぼしています。なんで、そう感じてしまうんだろう、、、。できればその対策も知りたい」という疑問にお答えしました。

理由
  • その①:信念対立で消耗する
  • その②:非倫理的である
  • その③:責任が重い
  • その④:支援体制がない
  • その⑤:労働条件が悪い

作業は仕事、遊び、日課、休息がありますけども、仕事がもっとも危険です。

なので、仕事とのつきあい方はよくよく考えた方がいいです。

本記事が少しでも、仕事きつい、、、と感じている作業療法士の助けになればうれしいです。

著者紹介
京極 真
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授。作業療法学科長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『作業療法リーズニングの教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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