
人間作業モデルの個人的原因帰属を理解するコツ
捉え方により理解が難しくなる
個人的原因帰属は自己有能感、自己有効感であると捉えると、とたんに理解が困難になります。
自己有能感や自己有効感は、個人的原因帰属の一面しか表さないからです。
その切り口から理解すると、この概念の全体像が見えなくなるのです。
では、個人的原因帰属はどう理解したらよいか
結論から言うと、個人的原因帰属は「因果関係」を表す概念です
原著を丁寧に読むとわかりますが、この概念は「わたしは世界に対して影響を与えられる」し、「わたしはよい結果を導くことができる」という感覚を表現しています。
つまり、個人的原因帰属を理解するためには、「原因→結果」という法則で世界が構成されている、という認識の仕方をつかむことが、まず一番に重要です。
そして個人的原因帰属は「原因」に「私」を代入します。
私が原因でよい結果がもたらされると、「自己有能感」や「自己有効感」が向上します。
逆に、私が原因でわるい結果がもたらされると、「自己有能感」や「自己有効感」が低下します。
ここからわかるように、自己有能感や自己有効感は、個人的原因帰属が表現する「原因→結果」という法則のうち結果のみを示しています。
だから、個人的原因帰属は自己有能感、自己有効感であると捉えると、かえって理解が難しくなるわけです。
では、作業有能性とは
個人的原因帰属と似ていると理解されがちな作業有能性は、「原因→結果」という図式で表すと「結果」に力点を置いた概念です。
作業有能性は、全体として作業が「上手くできているかどうか」を表す概念なのでどうしてもそうなります。
だから、個人的原因帰属を自己有能感、自己有効感であると理解すると、「では作業有能性とどう違うのか」という疑問にいきつくわけです。
もう一度書きますが、個人的原因帰属は因果関係の感覚を表す概念です。
世界は「原因→結果」という法則で支配されており、私(原因)は何らかの結果を導くことができる、という感覚を、個人的原因帰属という概念は表現しています。
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