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【無料ダウンロード可】学会発表で使えるスライドのテンプレートとつくり方の解説

京極真
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本記事では「はじめて学会発表します。発表用のスライドを作成する必要があります。何かよいテンプレートはありませんか?」という疑問にお答えします。

本記事のポイント
  • 2種のテンプレートが無料ダウンロードできます
  • テンプレートを使用してスライド作成するときに参照すべき評価基準を解説しました

学会発表のスライドはSimple is best!

学会発表で使用するスライドは、背景色が白、文字色が黒の構成が何だかんだいってよいです。

人によっては背景色を紺色とか青色にします。

しかし、学会発表の会場で映すと、パソコン画面上でみえるほどキレイな発色になりません。

学会発表する部屋はうす暗いので、背景色が紺色や青色だと部屋の色にとけて見にくいんです。

なので、背景色は白でよいです。

また、文字色は黒色です。

背景色が白で文字色が黒だと、文字を小さくし過ぎたり、詰め込めすぎたりしない限りにおいて、聴衆の特性に左右されず見やすいんです。

スライドは誰でも読みやすいように、シンプルに構成しましょう。

学会発表で使えるスライドのテンプレート

参考までに、学会発表で使えるスライドのテンプレートを無料ダウンロードできるようにしました。

テンプレートはCOI開示あり/なしの2種類あります。

ご自身の発表内容にあわせて必要な方を活用してください。

また、テンプレート内のスライド下部に、ご自身の学会発表で使用する際の留意点を記載しています。

スライド作成する際は、その留意点をよく読み、質の向上につとめてください。

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スライドのつり方と評価基準

上記のテンプレートを使ってスライドを作成するときは、各研究方に対応した評価基準を参照するとよいです。

評価基準は研究論文を想定した内容になっていますが、学会発表のスライド作成でも使えます。

研究計画段階からきちんとやっておかないと満たせない基準もたくさんあるので、学会発表する段階で慌てないようにきちんと研究計画を練り込むようにしましょう。

以下ではサクッと解説してるので、ご自身の研究法にあわせて適宜リンク先を参照してください。

それと、評価基準は以下の書籍が手元にあると必要なときに情報を入手しやすいです。

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事例報告

事例報告の評価基準はCARE(CAse REport guideline)です。

CAREガイドラインはコンセンサスメソッドによって作成され、13項目のチェックリストで事例報告の質を吟味します。

CAREガイドラインの主な項目は、タイトル、キーワード、要旨、はじめに、患者情報、臨床所見、経過、診断・評価、治療・介入、フォローアップとアウトカム、考察、患者の視点、インフォームドコンセントです。

皆さんが学会発表で事例報告するときは、CAREを視点にスライドをまとめるとよいです。

なお、事例報告の書き方はnoteで有料記事を発売していますので、必要な方はどうぞです。

質的研究

質的研究の評価基準はCOREQ(COnsolidated criteria for REporting Qualitative research)です。

これは、インタビューとフォーカスグループを用いた質的研究の質を吟味するチェックリストです。

COREQは32項目あって、研究チームとリフレキシヴィティ、研究デザイン、データの分析と結果のセクションから構成されています。

皆さんが学会発表で質的研究の報告を行うときは、CAREを視点にスライドをまとめるとよいです。

量的研究

量的研究は介入研究と観察研究で参照する評価基準が異なります。

介入研究の場合は、CONSORT(Consolidated Standards of Reporting Trials)をチェックしてください。

CONSORTは、ランダム化比較試験の質を改善するために活用し、タイトル・抄録、はじめに、方法、結果、考察、その他の情報の計25項目で構成されています。

観察研究の場合は、STROBE(Strengthening the Reporting of Observational Studies in Epidemiology)を確認します。

これは、観察研究による研究論文で満たすべき22の基準を示しています。

混合研究

混合研究法はNIH guidelineが使えます。

混合研究法は質的研究と量的研究を統合したものです。

このガイドラインは16の項目で構成されています。

混合研究法らしく研究の背景にある哲学や理論について記載があるか否かなどのチェック項目があります。

尺度研究

尺度研究はCOSMIN(COnsensus-based Standards for the selection of health Measurement INstruments)を使います。

これは、尺度研究の質を高めるためのチェックリストです。

COSMINはオリジナル版、システマティックレビュー版など複数の種類があります。

尺度開発に取り組んだ研究ならば、オリジナル版を使うとよいです。

システマティックレビュー&メタ分析

システマティックレビュー&メタ分析で研究発表するときは、PRISMA(Preferred Reporting Items for Systematic Reviews and Meta-Analyses)を参照します。

これは27の項目でチェックするものであり、システマティックレビュー&メタ分析で満たすべき要件が明記されています。

PRISMAを参照することによって、システマティックレビュー&メタ分析の質を高めやすくなります。

まとめ

本記事では「はじめて学会発表します。発表用のスライドを作成する必要があります。何かよいテンプレートはありませんか?」という疑問にお答えしました。

ここではシンプルなテンプレートを無料ダウンロードできるようにしました。

また、学会発表・学会参加で失敗したくない人向けの記事を以下にまとめています。ご参考にどうぞ!

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著者紹介
京極 真
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授。作業療法学科長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『作業療法リーズニングの教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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