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【Q&A付】作業療法士のための通信制大学院の選び方【教員が語る】

京極真
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本記事では「働きながら大学院に進学したいと考えています。通信制大学院の選び方を教えてください」という疑問にお答えします

こんな方におすすめ
  • 通信制大学院に進もうかどうか悩んでいる
  • 進学にあたっていろんな疑問がある

社会人は大学院に進学すべし

通信制大学院の活用のススメ

キャリアアップしたり、専門性を高めたりするために、社会人は通信制大学院を活用したらよいと思います。

臨床では働いていると、さまざまな疑問に遭遇すると思うので、その解決策のひとつとして大学院進学を考えるわけです。

ぼくは多くの社会人大学院生を担当させていただきましたが、ほとんどの方は研究課題が明確で臨床上の問題の解決に直結しており、大学院生個人的にも社会的にも意義ある成果を残しています。

リカレント教育

世界的にみても、こうしたリカレント教育(生涯学習)はとても注目されています。

リカレント教育とは、必要に応じて時期・年齢を問わずいつでも学べる教育システムです。

それによって、急速に変化する社会に対応し、個人のキャリアアップを後押していくのです。

通信制大学院はリカレント教育のための方法のひとつです。

作業療法を取りまく現状も目まぐるしく変わりつつありますから、リカレント教育の手段として働きながら学びやすい通信制大学院を検討するとよいかと思います。

通信制大学院の選び方

最重要は指導教員

以下の記事でも書いてますが、もっとも重要なことは指導教員の選択です。

通信制大学院は通学制大学院に比べて、指導教員と直接あって指導を受ける機会が少ないです。

だからこそ、指導教員がどんな人かわからないと研究で行きづまったときにコミュニケーションをとりにくくなります。

指導教員の教育力、研究力、人柄をしっかり確認し、自分にとってもっとも良さそうな教員に指導をお願いしましょう。

進学前に研究室訪問はやるべし

そのためにも、通信制大学院でも進学前に研究室訪問は行っておくべしです。

通信制大学院に進学しても、普通に研究室メンバーになってしまいます。

なので、研究室がどんな雰囲気で、そこでどんな人たちが研究しているのかを皮膚感覚レベルで理解しておくことを強くおすすめします。

それによって、指導教員の人柄も知ることができますから一石二鳥です。

指導体制

多くの場合、通信制大学院はテキスト学習、レポート提出、スクーリング、研究指導から構成されています。

テキスト学習では学習目標にそって指定された文献を読んで勉強します。

レポート提出では、課題にそって指定された文献を読み、レポートを作成し、フィードバックをもらいます。

研究指導では研究を遂行し、結果をまとめ、学位論文を作成するために必要な支援を受けます。

重要なことは、研究指導を受けるにあたって、どの程度柔軟にやり取りできる体制があるかです。

例えば、うちの場合はメーリングリスト上で最低でも週1回は進捗状況の報告があって、必要な研究指導を受けることができます。

また、必要に応じてGoogleハングアウトやSkypeなどを使い、対面で研究指導を受けることができます。

なので、通信制大学院も通学制大学院とほとんど変わらないぐらい密なやりとりを行うことになります。

両者の違いは、研究室で実際に会う頻度が多いか少ないかぐらいです。

進学先によっては、柔軟な指導体制がないこともあるので、通信制大学院に進学したい人は要チェックすべしです。

学位論文の原著論文化

これは、修士課程(博士前期課程)に進学したい場合にかかわることで、博士後期課程を検討中の人は読み飛ばしてください。

原著論文とは、査読付の学術誌に掲載された研究論文です。

修士課程(博士前期課程)の場合は、学位論文作成後に原著論文化されることがほとんどです。

なので、進学を希望する研究室で作成された修士論文が、原著論文化されているかどうかを事前に確認した方がよいです。

Q&A

以下では良くある質問にお答えします。

Q.子育てしながらでも可能ですか?

家族の協力があればおそらく可能です。

実際、ぼくも子育てしながら修士課程、博士課程に進学し、学位を取得しました。

ぼくが担当した院生たちも、子育てしながら無事に学位を取得しています。

Q.英語が苦手ですけども、大丈夫でしょうか?

英語が苦手だと苦労しやすいので、勉強した方がいいですね。

けど、研究論文の英語は中学レベルで十分やっていけるので、そんなに高度なことは必要ないです。

辞書を引きながらでもよいので、簡単な読み書きができるように対策しておくとよいです。

Q.通信制の大学院生活はたいへんですか?

通信制でも通学制でもやることは1つ。

研究です。

なので、通信制大学院だから楽ということはまったくないです。

でも、院生に話を聞くと、たいへんさの中に楽しさがあるので頑張れるようです。

Q.通信制大学院の修士課程から通学制大学院の博士課程に進学することは可能ですか?

可能です。

実際、うちも通信制大学院の修士課程から通学制大学院の博士課程に進学する人たちがいますし、その後、無事に博士号を取得されています。

Q.就職先はどうなりますか?

元々、働きながら進学する人ばかりなので、現職を続けられる方が多いかと思います。

人によっては通信制大学院を修了後に現職で役職についたり、より高度なことが求められる臨床現場に移ったり、大学教員や専門学校教員にになる人もいます。

Q.大学と職場は遠くても大丈夫ですか?

遠くても大丈夫なのように、通信制大学院がありますから大丈夫です。

実際、うちは岡山にありますが、北は北海道、南は鹿児島まで院生がいます。

何とでもなりますよ。

まとめ

本記事では「働きながら大学院に進学したいと考えています。通信制大学院の選び方を教えてください」という疑問にお答えしました。

本記事が少しでも進路選択の役に立つようでしたらうれしいです。

※大学院進学に関して記事を以下にまとめています。大学院進学を考えている人は参考にどうぞ!!

著者紹介
京極 真
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授。作業療法学科長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『作業療法リーズニングの教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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