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【悲報】哲学は作業療法士に関係ないという勘違い

京極真
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本記事では「哲学って屁理屈っぽい。作業療法士は臨床家なんだから、ややこしい哲学なんて関係ないよね?」という疑問にお答えします

哲学は作業療法士に関係ないという勘違い

たまーに「哲学みたいな屁理屈は作業療法士に関係ない。考えすぎ。無駄」という意見を見聞しますけど、それはただの勘違いです。

哲学=屁理屈ではない

そもそも、哲学は屁理屈ではありません。

そこからして勘違いしています。

哲学は徹底した原理的思考によって共通了解可能性を担保する営みでして、まるで筋のとおらない論理とは真逆のものです。

むしろ、哲学はそれによって人間と社会を前進させてきました。

例えば、日本に住んでいると当たり前のように享受している自由と平等は、哲学によって創出されています。

嘘だと思う人はルソーの社会契約論を読んでみると良いです。

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 哲学と作業療法士は密接につながっている

これもそもそも論ですが、作業療法という領域は哲学の影響をもろ受けて誕生しています。

作業療法は、哲学者ジョン・デューイの影響を直に受けながら誕生した領域です。

作業療法の創始者たちは、哲学と医療を結びつけることによってその独創を発揮しようとしました。

作業療法の前景にある哲学は以下の記事で紹介した文献を読むと理解できます。

あわせて読みたい
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これは、作業療法の先行研究を読めば明確になっている事実です。

哲学と作業療法士は切っても切れない関係であるといえます。

この辺りの事情はLive Studyで詳細な講義を行っておりまして、資料は以下から入手可能なので関心がある人はぜひ手にとってください。

資料入手
Live Study  資料
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作業療法士は哲学するべし

哲学と作業療法は密接に関係しているので、作業療法士が作業療法を実行しようと思ったら、哲学する必要があると考えています。

「哲学する?哲学を学ぶではないの?」と思うかもしれませんが、哲学者カントが「哲学を学ぶことはできず、哲学することを学ぶことはできる」(意訳)と指摘しているように、これは使ってなんぼの世界なんですよね。

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しかし、哲学することを学ぶのは簡単にできるものでもないので、要注意です。

まずは哲学わかりやすいところから

先に述べたように、哲学は原理的思考を駆使して共通了解可能性を担保する営為です。

なので、哲学には思考の型のようなものがたくさん蓄えられておりまして、作業療法士が哲学することを学ぶならば思考の型を理解することからはいるとわりと良いです。

思考の型のひとつに「確信成立の条件を問う」というものがあります。

これは例えば、「目の前にペットボトルがある」と確信したら、そう感じちゃった理由を紐解いていくような思考法です。

それをごりごり押しすすめていくと、多くの人にとって妥当する信憑構造の条件が明らかになっていきます。

哲学書を読解するには

わかりやすい文献で思考の型の概要をつかんだら、作業療法に関連する哲学書を読み解いていくとよいです。

作業療法の背景にある哲学は多数ありまして、それぞれ超一級の哲学書がでていますから1つ1つていねいに読んでいくとよいです。

作業療法に関連する哲学書の一部は以下の記事で紹介していますので、ぜひご覧になってください。

とはいえ、これらは哲学書に慣れないとなかなか読み進められるものでもありません。

読み方は皆さんの読書力によって異なってきます。

「読書習慣なし!」という人はまず難しいところは読み飛ばし、面白く感じるところだけつまみ食いしていけばよいです。

その他、初級、中級、上級、プロ別に読み方をまとめているので、自身の読書力にあわせて上手によっていってくださいませ。

作業療法士は哲学書と格闘しながら、思考の型をつかんていき、哲学するようになっていきましょう。

まとめ:【悲報】哲学は作業療法士に関係ないという勘違い

本記事では「哲学って屁理屈っぽい。作業療法士は臨床家なんだから、ややこしい哲学なんて関係ないよね?」という疑問にお答えしました。

作業療法と哲学をまとめて理解したい人は、現在のところLive Studyの講義で使用した資料がもっともまとまっていると思うので、ぜひ手にとってみてください。

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哲学と作業療法士は密接に関連しているので、作業療法士は哲学することを学び、適宜哲学するようになりましょう。

著者紹介
京極 真
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授。作業療法学科長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『作業療法リーズニングの教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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