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【体験談】作業療法士が精神科できついと感じる理由と対策

京極真
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本記事では「精神科で働く作業療法士です。想像以上に仕事がきついです、、、。何でこんなにしんどいのだろう。どうしたらいいかなぁ」という疑問にお答えします。

本記事の内容
  • 作業療法士が精神科できついと感じる理由
  • 作業療法士が精神科できついと感じるときの対策

作業療法士が精神科できついと感じる理由

結論:ひずみが大きいから

結論を言うと、作業療法士が精神科できついと感じる理由は、ひずみが大きいからです。

精神科作業療法は、精神医療の独特な文化、診療報酬体系、生活療法の負の遺産、作業療法のアイデンティティクライシスなどの問題によって信念対立に陥る構造があると考えています。

具体例

  • ぼくの経験上、対象者の生活様式にあわせた作業療法を実行しようとすると、他職種から「そんなことはいいからレクレーションだけやっといて!」と否定されることなんてわりと普通にある。
  • 1人ひとりの対象者にとって最適な作業療法を実施していたら、「作業療法に効果なんて期待していないから、集団でプログラムをまわして金稼げ」と怒られることもある。

至極真っ当に作業療法のメリットを引き出し引き伸ばそうとすると、なぜか軋轢が生じるので精神科で働く作業療法士は「仕事きつい、、、」と感じると思っています。

こんな感じで、作業療法士が精神科できついと感じる理由は、普通に作業療法を行おうとすると否定されることがあり、それがきっかけになって信念対立を体験することがあるからです。

まぁぼくの場合、そのおかげで哲学を武器に信念対立解明アプローチというコミュニケーション論を体系化するに至ったんですけどね。

よくある疑問:きつい、、、と感じない精神科の作業療法士もいるのでは?

疑問

『きつい、、、』と感じない精神科の作業療法士もいるのでは?

それはもちろんその通りでして、しっかり機能している病院・施設もたくさんあります。

一方、ぼくは信念対立というトラブルを研究しているので、精神科で働く作業療法士の苦悩を見聞するし、ぼく自身もそれでかなり消耗した経験ありです。

具体例

  • 作業療法士として個人・集団へのアプローチを適切に実行できる場合→うまくいっているケース。
  • 対象者の退院支援に作業療法士として貢献できている現場→いい働き方。
  • 円滑な多職種連携のもとで生活支援できる場合→しっかり機能している病院・施設。

こんな感じで、ちゃんとしているところもあるので、悪い話ばかりに着目する必要はないですけど、一方で苦労している方々もいらっしゃいますので、きちんとその対策を考える必要はあるかと思っております。

作業療法士が精神科できついと感じるときの対策

結論:信念対立解明アプローチを活用しましょう

作業療法士が精神科できついと感じるときは、ひとまず信念対立解明アプローチを活用してみましょう。

理由は、ぼく自身が精神科の現場で苦悩した経験がきっかけで、この理論を体系化することになったからです。

具体例

  • 作業療法士の仕事として病院行事(夏祭りなど)を押しつけられてしんどい、、、ならば、目的と状況を整理して他部署を巻き込む方法を考えたらOK。

ぼくの経験上、「病院行事を押しつけられる→嫌々ながらすべて引き受ける」という状態になると、マジで疲弊します。

そうならないために、病院の組織内の人間関係(状況)を整理し、病院行事の目的を達成するために、周囲をうまく巻き込んでいく方略を立てたらいいです。

こんな感じで、信念対立解明アプローチを活用したら、しんどい状態を抜けるためにやった方が良さそうなことに気づけるので、いくぶん楽になるはずです。

よくある疑問:組織の体制が古すぎてどうにもならないときは?

疑問

組織の体制が古すぎてどうにもならないときは?

確かに、組織の体制が古すぎると、作業療法士個人でどうにかしようと思ってもどうにもならない、、、と感じると思います。

めちゃくちゃ難しい問題ですが、ぼくの立場からいうと、まずは信念対立解明アプローチを活用したらいいかもです。

具体例

  • 組織の体制が古すぎる職場ならば、その職場で最も重視している目的を見定めましょう。

そして、その目的を達成するために、作業療法でどう貢献できるかを示し続けて、価値を認めてもらうようにしたらいいです。

組織の体制が古すぎても、その価値の実現に作業療法が役立つ、、、とわかればコントロールできる範囲も徐々に広がるものです。

こんな感じで、どうにもならない、、、と感じる局面でも、何かできることはあるので状況・目的・方法という切り口でできることからやってみましょう。

それでもどうしようもないときは、ご自身がストレスで健康を壊したらいけないので、他の職場に移ることも検討したらよいです。

まとめ:作業療法士が精神科できついと感じる理由と対策

本記事では「精神科で働く作業療法士です。想像以上に仕事がきついです、、、。何でこんなにしんどいのだろう。どうしたらいいかなぁ」という疑問にお答えしました。

精神科作業療法はとてもやりがいのある仕事ですが、ひずみが大きいので「きつい、、、」と感じることも少なくないです。

その理由がわかれば、対策のしようもあるので、まずはきつい理由を理解し、具体的に対策を立てていきましょう。

どう頑張ってもきついときは作業療法士自身の健康問題が懸念されますから、いい職場は他にいっぱいあるので環境を変えることも検討したらOK。

検討には、質のよい情報を集めることが一番大切です。

著者紹介
京極 真
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授。作業療法学科長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『作業療法リーズニングの教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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