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自責思考も他責思考も両方とも必要です

京極真
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京極真
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本記事では「問題が起こったときに『周囲の人間が悪い』とか『仕組みがわかりにくい』と他責的に考える人がいますけど、悪いのは問題を起こした本人ですよね。他者に責任を押しつける思考はやめるべきだと思いませんか」という疑問にお答えします

こんな方におすすめ
  • 自責思考は他責思考よりも重要だと思っている
  • 他責思考にはよい点はないと思い込んでいる

自責思考も他責思考も両方とも必要です

結論:自責思考も他責思考も両方とも必要です

結論をいうと、自責思考も他責思考も両方とも必要です。

理由は、どちらにもメリットとデメリットがあって、両者はともにデメリットを補い合いながら、メリットを伸ばせる関係にあるからです。

具体例

車椅子のユーザーが段差のために買い物できない場合、自責思考のみだったら自分を責めるばかりでうつになりますよね。

他方、何度も教えてもらっているのに簡単な仕事すらできない労働者の場合、他責思考のみだったら本人は一向に成長せず、消耗するばかりの周囲がうつになりかねません。

思考はツールに過ぎないので、ときと場合に応じて変える必要ありです。

こんな感じで、自責思考のみの人もダメ、他責思考のみの人もダメ、、、であり、自責思考も他責思考も柔軟に使いこなせる人がいい、という話になるわけです。

自責思考のメリットとデメリット

自責思考のメリットは以下の通り。

具体例
  • 当事者意識をもって主体的にとりくめる
  • 失敗を活かすことができる
  • 自分でコントロールできることに集中できる など

このように、自責思考にはいろろなメリットがあります。

他方、自責思考のデメリットは以下の通り。

具体例
  • ストレスがたまってうつになる
  • 何でも自分で抱え込んでしまう
  • 問題の原因は環境にあるのに、自分を変えようとするため、自分が変わっても同じ問題を繰り返す など

こんな感じで、自責思考にはさまざまなデメリットがあります。

他責思考のメリットとデメリット

他責思考のメリットは以下の通り。

具体例
  • 環境を変えることに主体的にとりくめる
  • ストレスをため込みすぎない
  • 周囲に支援を求めることができる など

他責思考=ダメな思考、、、みたいに思っている人がいますけど、実際にはいろんなメリットありです。

他方、他責思考のデメリットは以下の通り。

具体例
  • 周囲にストレスを与える
  • 責任逃れになることがある
  • 問題の原因は自分にあるのに、環境を変えようとするため、環境が変わっても同じ問題を繰り返す など

このように、他責思考にはメリットがある反面、いろんなデメリットがあります。

自責思考と他責思考は車の両輪のように活用する方法

自責思考と他責思考は車の両輪のように活用する

以上から、自責思考と他責思考はどちらか一方だと不十分である、、、ということがわかるかと思います。

したがって、自責思考と他責思考は車の両輪のように活用する必要があります。

具体例

自分に問題がある部分は自責思考で改善し、同時に周囲に問題がある部分は他責思考で改善を求めればいいです。

また、自責思考でストレスがたまりすぎてしんどいなら、自責思考を減らしつつ他責思考を少し押し出してみたらOK。

自責思考か、他責思考か、、、ではなく、どちらも必要という観点から思考を使い分けるといいです。

このように、自責思考と他責思考はどちらか一方だと不十分なので、自責思考と他責思考は車の両輪のように活用していけばOK。

自責思考と他責思考は車の両輪のように活用する方法

自責思考と他責思考の両方を活用するためには、目的と状況を見定める「解明的に考える(解明思考)」ことができると便利です。

解明思考というのは、信念対立解明アプローチをベースにした思考法です。

これは基本的に、目的と状況をアンカーにして考えるものです。

具体例

自責思考と他責思考はツールなので、すべて目的と状況にてらしあわせつつ、どう使っていくのかを考えていったらいいです。

状況が問題の原因が自分にありそうで、目的が問題を打開することなら、自責思考>他責思考という思考法になるかもしれません。

他方、状況が問題の原因が周囲にありそうで、目的が問題の解決ならば、他責思考>自責思考という傾斜配分になるでしょう。

もちろん、自分にも周囲にも問題があるという状況で、どうにかして問題を克服したいなら、他責思考と自責思考は同程度の強度で使えばいいです。

こんな感じで、目的と状況をアンカーにしていけば、自責思考と他責思考の両方を活用しやすくなります。

AとBどっち?と問われたら、どちらか一方を選んでしまう、、、という思考のクセを理解すべし

疑問

そうはいっても、やっぱ自責思考か他責思考か、、、と問われたら、自責思考の方が重要だよね、、、

そういう人は、ぼくらの思考には、AとBどっち?と問われたら、どちらか一方を選んでしまうクセがあると理解しておく必要ありです。

ぼくらは選択肢を提示されると、どれか選ばなきゃいけない、、、という信憑にとり憑かれがちなのです。

具体例

「お風呂とお食事のどちらにしますか?」と問われたら、どちらかを選ぶ必要がある、、、という心情になりますよね。

これは、「ラーメンとカレー」「山と海」「都会と田舎」などなど、選択肢を示すものであれば、何でもいいです。

ぼくらは、対比されると無意識的にどちらかを選ぶ、という確信にとり憑かれるのです。

自責思考か他責思考か、、、と問われたら、思考のクセでどちらか選ばないと、、、と思いがちですけど、目的と状況によって答えは変わるので、無理に選ばなくてもいいですよ。

まとめ:自責思考も他責思考も両方とも必要です

本記事では「問題が起こったときに『周囲の人間が悪い』とか『仕組みがわかりにくい』と他責的に考える人がいますけど、悪いのは問題を起こした本人ですよね。他者に責任を押しつける思考はやめるべきだと思いませんか」という疑問にお答えしました。

結論をいうと、自責思考も他責思考もメリットとデメリットがあって、どう活きるかは目的と状況によって変わるので両方とも必要です。

どちらか一方に荷担するという態度は、思考のクセにとらわれているだけです。

「自責思考こそ大事だ!」「他責思考こそ大事だ!」みたいに、どちらか一方を強調する人がいたら思考のクセの奴隷になっているなぁ、、、と思ったらOKです。

目的と状況というアンカーをうって、思考のクセから自由になりましょうね。

著者紹介
京極 真
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授。作業療法学科長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『作業療法リーズニングの教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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