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作業療法
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【初心者向け】作業療法の流れは3つのステップで構成されます

京極真
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本記事では「作業療法を学ぶ学生です。作業療法ってどんなプロセスで展開するのか知りたいなぁ」という疑問にお答えします

こんな方におすすめ
  • 作業療法のプロセスを知りたい
  • プロセスのポイントを教えてほしい

作業療法の流れは3つのステップで構成されます

結論:作業療法の流れは3つのステップで構成されます

結論をいうと、作業療法の流れは3つのステップで構成されています。

STEP
  1. 評価
  2. 介入
  3. 成果測定

基本はこれだけです。

この流れは職場環境や他職種などの文脈の影響を受けながら、クライエントと作業療法士の相互作用で生まれる動的なプロセスです。

クライエントには、ご本人、ご家族、集団、住民、組織などが含まれますので、わりと幅広い方々が対象になります。

いずれに場合においても、作業療法の流れで焦点化するのは「作業的存在としてのクライエント」です。

ここがズレると何をやっているかわからなくなるので要注意です。

評価

評価には以下が含まれます。

  • スクリーニング:評価、介入の目星をつける
  • 作業プロファイル:作業的存在としてのクライエントを理解するために必要な基本情報を収集する
  • 面接:作業遂行上の利点と問題、作業機能障害について構成的、非構成的に話を聞く
  • 観察:作業遂行上の利点と問題、作業機能障害について構成的、非構成的に見極める

注意点として「話を聞いたら観察する」「観察したら話を聞く」があります。

たまに、どちらか一方しかしていなくて、きちんと把握できていない人がいます。

そうなると、介入がうまくいかなくなるので両方ともしっかりやっていきましょう。

介入

介入には以下が含まれます。

  • 計画を立てる:評価結果に基づいて介入計画を立案する
  • 計画を実行する:立案した介入計画を実際に実行する
  • 継続的に評価をする:介入によって状態が変化するので絶え間なく継続評価する
  • 適宜、介入を修正する:継続評価の結果に基づいて介入計画を適宜修正しつつ実行する
  • 介入をふり返る:介入を改善するためにふり返りつつ実行する

便宜上、作業療法の流れでは評価と介入を区別していますが、実際には介入中も評価するので同時進行すると理解しておけばOK。

また、介入によって作業遂行や作業機能障害の状態が変化するので、それにあわせて計画もどんどん変えていく必要ありです。

成果測定

成果測定には以下が含まれます。

  • 成果測定:目標を達成できたかどうかを判断する
  • 再評価:途中経過の状態を判断する
  • 今後の方針の検討:目標達成できれば作業療法終了。そうでないなら今後の介入計画を検討する

介入が意図した通りに作用しているかどうかを確認します。

ときどき成果測定していない現場があります。

けど、それやらないと改善できないので必ずやった方がいいです。

作業療法の流れの最重要ポイントは「作業」です

流れ自体は他職種もほぼ一緒

流れ自体は他職種もほぼ同じです。

つまり、構造的には医師、看護師、薬剤師、理学療法士などもだいたい以下の流れで展開します。

STEP
  1. 評価
  2. 介入
  3. 成果測定

では、どこで「作業療法の」流れといえるのかというと、その焦点が「作業」にあるかどうかです。

専門職は専門性を深めてこそ存在する意味がある

「作業」を強調すると「視野が狭い」「専門性にこだわりすぎ」「クライエントには関係ないこと」という人がいます。

そういう人は「専門職」の本質を理解していません。

専門職とは、特定の課題を解くために必要な知識と技能をもった人です。

つまり、作業療法士という専門職は、作業にかかわる課題を解くために必要な知技をもっていることが大前提です。

それがない状態がヤバい、、、と理解できない人は以下のじょうな専門職がいたらどう感じるかを想像してみればいいです。

  • 治安維持に必要な知識と技能をもたない警察官
  • 消火活動に必要な知識と技能をもたない消防士
  • 平和維持に必要な知識と技能をもたない自衛官 など

よほど認識が歪んでいない限りにおいて、「存在する意味ないやん、、、」と感じるはずです。

これは、ぼくら作業療法士も同じでして、作業遂行上の課題とそれによって生じる作業機能障害の解決に必要な知識と技能は最低限身につけておかないとお話にならないです。

専門性を深めてこそジェネラリストが活きる

もちろんこれは、オールマイティに仕事をこなせるジェネラリストを否定するものではありません。

むしろ、その側面を活かすために必要なことなのです。

作業療法士を例にすると、話がこじれることがあるので、わかりやすくするために他の職種で説明します。

具体例

治安維持に必要な知識と技能をもつ警察官がいたとします。

その人は捜査にも、犯人逮捕にも優れています。

それらに加えて、社内対応、社外対応、マネジメントなどポータブルスキルに優れていたら「本当に優秀な人だ、、、」となりますよね。

もしこれが、治安維持に必要な知識と技能をもたずにジェネラリストなところがだけ優れていたら、、、たぶん「他にやることあるやろ」となるはずです。

こうした事態は作業療法士も同じです。

スペシャリストとジェネラリストの両立は今後さらに必要になってきます。

そのためにも最低限、作業療法の流れでしっかり作業に焦点化して専門職として役割を果たせるようになっておきましょう。

まとめ:作業療法の流れは3つのステップで構成されます

本記事では「作業療法を学ぶ学生です。作業療法ってどんなプロセスで展開するのか知りたいなぁ」という疑問にお答えしました。

結論は以下の通りです。

STEP
  1. 評価
  2. 介入
  3. 成果測定

作業にしっかりリンクしたプロセスを展開しましょうね。

以下の記事では作業療法の理論について紹介しています。合わせてお読みください。

著者紹介
京極 真
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授。作業療法学科長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『作業療法リーズニングの教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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