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作業療法士を目指すのは誰でもできる。しかし誰でもなれるわけではない

京極真
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本記事では「作業療法士を目指しています。全体的に偏差値が低いところが多いです。作業療法士になるのは簡単ですか」という疑問にお答えします

こんな方におすすめ
  • 作業療法士を目指している
  • 偏差値が低いところが多いので、簡単になれると思っている

作業療法士を目指すのは誰でもできる。しかし誰でもなれるわけではない

結論をいえば、作業療法士は誰にでもなれるようなものではないです。

理由はかなり高度な知識と技術を学習する必要があるからです。

確かに、作業療法士養成校の偏差値をみると、高いところもあるものの、全体としてはわりと低いところが多いです。

だから一見すると、作業療法士は目指そうと思えば、誰でもなれる職業かのように思えます。

しかし、作業療法士は誰でもなれるのか、、、というと、まったくそんなことありません。

入試段階の偏差値に比べて、実際の養成課程で習得することが求められる知識と技術のレベルが、非常に高いからです。

作業療法士を目指す人が受ける教育プログラムのレベル

作業療法士を目指す人が受ける教育プログラムのレベルは、国内基準と国際基準で決められておりまして、前者よりも後者のほうが大幅に厳しいレベルになっています。

国内基準は日本の実情をふまえてますが、国際基準は「作業療法士ならばこれぐらいできて当たり前!」とハードルを上げてくるわけです。

もちろん、各国の実情に合わせた運用はされていますが、国際基準は国内基準よりもハイレベルであることには変わりないです。

驚くべきことに、ほとんどの作業療法士養成校は国際基準を満たすレベルになっているというところが、ミソです。

現代はグローバル社会ですから、作業療法士界隈でやっていくには国際基準に合わせざるを得ないからです。

さて、国際基準は世界各国の作業療法士養成校に適用されるものです。

日本は専門学校、短大、大学で作業療法士を養成していますが、作業療法先進国のアメリカは現時点で大学院の修士課程を修了しないと作業療法士になれません。

しかも、2027年からは博士課程に移行することになっています。

国際基準は、そういうレベルの教育プログラムにも適用できるものでして、日本の作業療法士養成校でもそれによって承認された教育プログラムが提供されているわけです。

つまり、作業療法士は誰でも目指せるのですが、実際に受ける作業療法教育はハイレベルでして、偏差値と教育プログラムにかなりギャップがあると思っておけばOK。

だから、普通に留年する方もいらっしゃいますし、ドロップアウトする人もいます。

作業療法士養成校には入りやすいけども、卒業しにくい構造があるわけです。

実際ぼくも1年留年していますから、実体験からしてよくわかります。

作業療法士を目指す人に求められるレベルが高いワケ

以上をふまえると、作業療法士界隈では、国内外問わず作業療法士に目指す人に求められるレベルは高いといえます。

その理由は、作業療法士は人の生命と生活に関与する仕事だからです。

なので、高いレベルの知識と技術が求められるのです。

それはもう作業療法士養成校の偏差値からは想像できないレベルです。

しかも、勉強だけしたらいいわけではないです。

作業療法士を目指す人には、コミュニケーションスキル、倫理観、公共性、自己研鑽などさまざまな資質が高いレベルで求められます。

例えば、コミュニケーションスキルが低くて、対象者としなやかにやりとりできないと、まともに仕事することができません。

また、日進月歩の領域なので自己研鑽しないと、あっという間に周回遅れになってしまいます。

これは建前ではなく、本当の話です。

そのため、国際的にみて、作業療法士を目指す人に求められるレベルが高くなってくるんです。

まとめ:作業療法士を目指すのは誰でもできる。しかし誰でもなれるわけではない

本記事では「作業療法士を目指しています。全体的に偏差値が低いところが多いです。作業療法士になるのは簡単ですか」という疑問にお答えしました。

確かに作業療法士養成校の偏差値は低いです。

けども、作業療法士になるのは簡単ではないです。

入試段階の偏差値と教育プログラムのギャップはめちゃでかいです。

作業療法士を目指す人はその点を考慮すべしです。

そして現在、作業療法士をやっている方々は自身の仕事に誇りをもちましょう。

難しい教育プログラムを克服して、その地位にいるのですから。

著者紹介
京極 真
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授。作業療法学科長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『作業療法リーズニングの教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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