
本記事のポイント
- 作業療法士は思考と感情を含む行動について考えます
- 臨床では作業機能障害という行動の問題を考えた後に、それに関連する疾患・障害について考えるというプロセスで考えます
作業療法士は行動について考える
作業療法はこころ楽しく生きるために「とにかく行動しろ」という考え方です。
なぜなら、行動は思考・感情を変えるし、それによって行動それ自身も変化していくからです。
例えば、気分が落ち込んでるので、いますぐ楽しい気分になりたいとしましょう。
このとき、思考・感情から変えようとすると、どーなるでしょうか。
楽しいことを考えてみると、もしかしたら楽しい気分になるかもしれません。
でも、気分が沈んでいるのですから、楽しいことを考えようとしても、嫌なことや不安なことを考えてしまうでしょう。
また、あえてハイなテンションであるかのように感じてみると、ひょっとすると楽しい気分になるかもしれませんね。
だけど、もともと気分が沈んでいるため、ハイなテンションであるかのように感じようと思っても、そう感じることはできないでしょう。
楽しい気分になるために、思考・感情を操作するのはなかなかハードです。
で、作業療法では行動を変えてみよう、と考えるわけです。
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例えば、気分が落ち込んでいても、歯がみえるぐらい満面の笑みを作ってみましょう。
そう行動すると、何となく笑っちゃうはずです。
あるいは、芸人の江頭2:50さんのように、一風変わった動きを思いきってやってみましょう。
そう行動を変えてみると、思わず楽しい気分になるはずです。
もちろん、とっても興味のある活動に取り組んでもよいですし、汗をかくぐらい運動してみてもよいです。
そーやって行動を変えると、そうでない場合に比べて、こころ楽しい気分を味わえるはずです。
そして、それを積み重ねると、だんだん楽しい行動が増えていくものです。
行動は思考・感情を変える。
行動はそれ自身も変える。
それが作業療法の基本的な考え方です。
臨床において作業療法士は作業機能障害という行動から考える
さて、作業療法士では、作業の視点から世界を観察し、理解し、支援を行います。
作業の定義はいろいろありますが、大きく示すと、作業とは、人間が行うことであり、文化のなかで名づけられた特定の活動の一群である、というものになります。
つまり、作業は人間の行動(思考と感情を含む)であるわけです。
例えば、恋人とデートに行くことは、ぼくたちのいう作業です。
家族で遊園地に遊びに行くことも、ぼくたちのいう作業です。
目が覚めてトイレに行って、出すもんだして、顔を洗って、飯を食うことも、ぼくたちのいう作業です。
要するに作業とは、人々の生活を構成している仕事、遊び、日課、休息である、ということができます。
これらは、平たく言うと暮らしですよね。
なので、作業科学という切り口でいくと、クライエントに対して作業療法を行うには、
step
1この人は、どんな作業を行い、どんな作業機能障害を体験しているのか?
step
2この人は、どんな疾患・障害をもっているのか?
というステップで思考することが大切になります。
つまり、クライエントの前に立ったら、作業療法士はその人の作業から考えはじめる必要があるのです。
作業療法士が最初に考えるのは、疾患や障害ではありません。
それは医師の役割です。
ぼくたち作業療法士がまず気にかけないといけないのは、その人の作業であり、作業機能障害です。
これを忘れないようにしましょう。
まとめ:作業療法士の基本的思考【考え方のコツ】
本記事では「作業療法士ってどんなふうに考えるの?」という疑問にお答えしました。
臨床思考の参考になれば幸いです。
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