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作業療法で歴史を学ぶ理由と臨床的意義【研究者が語る】

京極真
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本記事では「作業療法士ですが、作業療法で歴史を学ぶ理由がわかりません。歴史を学ぶことによって、臨床にどのようなメリットがあるのですか」という疑問にお応えします

こんな方におすすめ
  • 作業療法の歴史を学ぶ理由が理解できない
  • 作業療法の歴史を学ぶと、臨床にどんなメリットがあるのかわからない
  • 作業療法士として自律したい

作業療法で歴史を学ぶ理由

結論から言うと、作業療法で歴史を学ぶ理由は以下の通りです。

作業療法で歴史を学ぶ理由
  • その①:存在理由がわかる
  • その②:教訓を学べる
  • その③:目指すべき方向性がわかる

その①:存在理由がわかる

あらゆる専門職は理由があって存在しています。

存在理由がわかると、やるべきことが明確になって、専門職として貢献しやすくなります。

もちろん、作業療法も例外ではありません。

歴史を振り返ると、作業療法は人間が人間らしく生きられるよう生活支援する、という目的を達成するために誕生したことがわかります。

そのことがわかれば、その使命を達成するために働きやすくなるはずです。

専門職にとって、存在理由の理解は重要です。

その②:教訓を学べる

歴史を学ぶと、そこから教訓を引き出すことができます。

人類史を振り返ると、二度の世界大戦からあんなことは二度とやっていけばない、という教訓を学べます。

作業療法の場合、1950年代前後にクライエントの作業を支援しなくなったために、作業療法という専門職なんてなくても良いのでは?という疑義が領域内外から噴出しました。

また、作業療法は科学の捉え方を狭くし過ぎたため、人間の作業の全体性を捉えられないという問題にも突き当たり、一時期いい加減で当てにならないという批判を受けました。

歴史を学ぶと、作業療法では作業と科学の両方をないがしろにできないし、むしろ相当しっかりやらないと存在理由を失いかねないと理解できます。

その③:目指すべき方向性がわかる

歴史を学ぶと目指すべき方向性がわかります。

人類史を振り返ると、全体としては「生きたいように生きる」ための社会条件を整える方向で展開していることが理解できます。

作業療法の場合、全体のトレンドとしては、作業と医学の統合に進んでいると判断できます。

また、作業療法は作業と科学の徹底という方向で進んでいることがわかるはずです。

目指す方向がわかれば、これから何に努力したら良いかを理解できます。

全体のトレンドを外すと、何やってもうまくいきにくいです。

歴史から目指すべき方向性を理解すると、そういう問題を回避しやすいです。

作業療法で歴史を学ぶ臨床的意義

結論から言うと、作業療法で歴史を学ぶ臨床的意義は以下の通り。

作業療法で歴史を学ぶ臨床的意義
  • その①:やるべきことが明確になる
  • その②:クライエントに専門家として貢献できる
  • その③:多職種連携を促進できる

その①:やるべきことが明確になる

歴史を学ぶ臨床的意義は、作業療法士が臨床でやるべきことが明確になるという利点があります。

作業療法の存在理由は生活支援を通した健康と幸福の改善です。

なので、例えば作業療法士がマッサージだけやって終わっていたらマズイわけです。

そうした実践には価値があるものの、作業療法としては存在理由を満たしていないからです。

歴史を学んでやるべきことが明確になれば、そうした問題は回避しやすいです。

その②:クライエントに専門家として貢献できる

作業療法士のやることが明確になれば、クライエントが作業療法をどういうときに利用したら良いかがわかりやすくなります。

作業療法はクライエントとの協働が欠かせません。

作業はその人らしい暮らし方ですから、クライエントと作業療法士が一緒に努力しないと成果が得られないからです。

一緒に努力するには、作業療法士がやるべきことが明確であった方がいいです。

歴史を学ぶと作業療法の役割が明確になるので、クライエントに専門職として貢献しやすくなります。

その③:多職種連携を促進できる

歴史を学ぶと、作業療法の専門性を明確にしやすいです。

専門性が明確になると、多職種連携を促進しやすくなります。

多職種連携はメンバーが専門性を発揮しつつ、お互いに補いあいながら実践していく方法だからです。

専門性が不明確だと、多職種連携の土俵に上がることができず、クライエントにさまざまなメリットを提供できません。

歴史を学ぶと専門性が明確になるので、多職種連携にしっかりコミットし、じっせんのしつをたかめやすくなります。

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作業療法の歴史を学べるおすすめ本【厳選3冊】

作業療法の歴史を学べるおすすめ本は以下の3冊です。

おすすめ本
  • 作業療法実践の理論
  • 作業療法の世界
  • 新 作業療法の源流

作業療法実践の理論

作業療法で歴史を学ぶ価値をはじめて示した名著。

作業療法の成立経緯から未来の作業療法のあり方まで学ぶことができます。

作業療法の歴史を学びたい人は必ず読むべし。

作業療法の世界

世界と日本の作業療法の歴史を同時に学べる名著。

作業療法の源流の一つであるアーツ&クラフト運動について詳しい記載があってべんきょうになります。

また今後、どのような作業療法を目指す必要があるのかも示しており、こちらも上記の書籍にあわせて必読書です。

新 作業療法の源流

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作業療法の成立に影響を与えた国内外の論考群を読める名著です。

解説も充実しているので理解しやすいです。

作業療法の原型を理解したうえで、現在の作業療法の臨床の質を高めたい人は読むべしです。

まとめ:作業療法で歴史を学ぶ理由と臨床的意義

本記事では「作業療法士ですが、作業療法で歴史を学ぶ理由がわかりません。歴史を学ぶことによって、臨床にどのようなメリットがあるのですか」という疑問にお応えしました。

結論を言うと、作業療法で歴史を学ぶ理由は以下の通りです。

作業療法で歴史を学ぶ理由
  • その①:存在理由がわかる
  • その②:教訓を学べる
  • その③:目指すべき方向性がわかる

また、作業療法で歴史を学ぶ臨床的意義は以下の通り。

作業療法で歴史を学ぶ臨床的意義
  • その①:やるべきことが明確になる
  • その②:クライエントに専門家として貢献できる
  • その③:多職種連携を促進できる

なお、本記事で紹介した本では学べないぐらい詳しい歴史は以下の資料でまとめていますので、よろしければぜひお読みください。

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著者紹介
京極 真
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授。作業療法学科長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『作業療法リーズニングの教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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