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学会発表で失敗しない7つのコツ【研究者が語る】

京極真
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本記事では「学会発表で失敗を避けるには、どうしたらいいですか?」という疑問にお答えします。

本記事のポイント
  • 学会発表で失敗するパターンは××、△△などです
  • 学会発表で失敗しないコツは〇〇、□□などです

学会発表で失敗するパターン

失敗の定義は多義的ですが、学会発表の目的が新しい知見の科学的妥当性を吟味することだと考えると、それがうまくできない場合はすべて失敗です。

極論を言うと、そうなります。

学会発表の失敗にはいくつかのパターンがあります。

失敗するパターン
  • 準備不足である
  • 何が新しい発見なのか不明瞭である
  • 曖昧な論理構造である
  • ジャーゴンで固めている
  • 発表時間が超過する
  • 聴衆の関心を把握していない など

上記のうち1つでも当てはまると学会発表が失敗体験に変わります。

学会発表で失敗しない7つのコツ

そう考えると、学会発表で失敗しないコツは7つに整理できます。

コツ1:予演会を行う

学会発表で失敗する最大の要因は準備不足です。

なので、失敗を避けるには、入念に準備する必要があります。

準備にはスライド作成なども含まれますが、発表に限れば予演会を行うとよいです。

予演会では、本番に近いセッティングで研究を発表し、質疑応答まで行います。

近くに研究仲間がいない場合は、発表時間内で適切に研究を発表できるようになるまで繰り返し練習しましょう。

コツ2:研究の新規性を簡潔明瞭に説明できるようにする

学会発表の目的は新しい知見の科学的妥当性を吟味することです。

なので、学会発表で失敗を避けるためには、自身の研究のどこが新しいのかを明確に説明できる必要があります。

ただし、ただたんに「新しいです!」というだけでは、たんなる意見の表名に過ぎないので意味がありません。

新しいといえる根拠もあわせて説明する必要があるのです。

自身が発見した知見のどこが新しいのか、新しいと言える理由は何か、を明確に整理しておきましょう。

コツ3:論理構造を明確にする

「背景→目的→方法→結果→考察」の流れが論理的にしっかりつながったかたちで発表しましょう。

学会発表がうまくいかない人は、抄録やスライドの構造は「背景→目的→方法→結果→考察」になっていても、その内容が論理的につながっていないことが往々にしてあります。

また、論理構造がしっかりすると、単なる結果の羅列のようなしょうもない発表もしなくてすいみます。

理由はストーリーがスムースにながれるからです。

なので、理屈がスムースに通るように、学会発表の中身の論理構造を明確に整理してください。

コツ4:平易な言葉で説明できるようにする

学会発表は新しい知見の科学的妥当性を吟味することが目的です。

つまり、どんな学会発表も基本は発表者と聴衆のコミュニケーションなんです。

学会発表で失敗する人は、専門家の中でも一部の人しか知らないようなジャーゴンを駆使しすぎることがあります。

学会発表なので専門用語を使うのはよいですが、極々一部の人しかしらない用語を使いすぎるとコミュニケーションが破綻します。

なので、学会発表するときは、適切な専門用語を使いつつも、聴衆の理解を促進するために、ときに平易な言葉で説明できるようにしておく必要があります。

コツ5:発表時間は厳守する

学会発表は極めて限られた時間の中で、新知見の科学的妥当性を議論しあう必要があります。

なので、発表時間は厳守しないとけません。

学会発表がうまくない人は、時間を厳守しない、あるいは時間の使い方がルーズという特徴があります。

「背景→目的→方法→結果→考察」という順で話すわけですから、それぞれ過不足なくうまく時間配分し、時間内にきっちり終わる必要があります。

そのためには、コツ1で書いた準備を入念に行うを忠実に実行してください。

コツ6:聴衆の関心を把握しながら話す

大切なことなので何度も言いますけども、学会発表の目的は自身が発見した新しい知見の科学的妥当性を議論しあうことです。

そのためは、聴衆の移ろいゆく関心の所在を捉えて、強弱つけながら研究を発表する必要があります。

学会発表で失敗する人は、発表することに集中しすぎて、聴衆をおいてけぼりにしがちです。

そうした問題を回避するためには、学会発表しながら聴衆の表情を見つつ、話し方に強弱をつけたり、適当に調整したりしながら話すとよいです。

これも、コツ1を忠実に実行しているうちにできるようになります。

コツ7:良質なスライドを作成する

コツ2、3とも関連しますけども、学会発表にあたってはスライド作成がとても重要です。

スライド作成にこった装飾は不要で、基本はSimple is bestです。

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まとめ

本記事では「学会発表で失敗を避けるには、どうしたらいいですか?」という疑問にお答えしました。

皆さんの学会発表が実りあるものになればうれしいです。

また、学会発表・学会参加で失敗したくない人向けの記事を以下にまとめています。ご参考にどうぞ!

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【まとめ】学会発表・学会参加の完全マップ【徹底解説】
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とはいえ、失敗してしまうということは誰にでも起こります。

失敗してしまったどうしようという方は以下の記事を参考にしてください。

著者紹介
京極 真
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授。作業療法学科長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『作業療法リーズニングの教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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