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作業療法
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意味のある作業を研究するための6つの問い【作業の知識を増やす方法】

Makoto KYOUGOKU
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京極真
京極真

本記事では「意味のある作業を研究したいけど、どうしたらよいの?」という人のために、作業を研究するために提案されている6つの問い(視点)を紹介します

本記事のポイント
  • 意味のある作業を研究するためには、その作業を誰が、何を、いつ、どこで、どのように、なぜ行っているのかを問いましょう
  • 作業は複雑な現象なので多角的に問う必要があります

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意味のある作業を研究するための6つの問い

ぼくたちは誰でも、毎日多くの作業にとりくんでいます。

ぼくたちは皆、経験を通して作業について大なり小なり理解しているはずです。

しかし、どんな経験を通してでも、ぼくたちの個人的な経験のみからは、作業に関する十分な知識を得ることができません。

例えば、どんな作業に取り組んでいる人は、それ以外の作業を行う人に比べて健康で幸福な人生を送れるのでしょうか?

ぼくたちには、作業に関する知識がもっと必要なのです。

そのための有効な手段として「研究」があります。

ぼくたちは、作業の理解を深める研究に取り組む必要があります。

以下の書籍では、作業研究を深めるための6つの質問を掲げています。

これらの質問は質的研究にでも量的研究にでも適用することができます。

上記の書籍から備忘録がわりにメモしておくと、作業研究のための6つの質問は以下の通り。

6つの質問
  • が作業に取り組んでいますか?
  • 作業はですか?
  • 人々はいつ作業に取り組みますか?
  • 人々はどこで作業に取り組んでいますか?
  • 作業はどのように行われますか?
  • 人々はなぜ作業に取り組んでいますか?

6つの質問は作業に関する研究テーマを膨らませるために使います。

さらに作業の研究テーマを検討するために下位質問が例示されています。

備忘録がわりにいくつかメモしておきます。

意味のある作業を研究するためのさらなる問い

意味のある作業を研究するための問1:誰が作業に取り組んでいますか?

問1

誰が作業に取り組んでいますか?

あらゆる人間が作業を行っています。

誰が作業するかによって、作業の実態は変わります。

なので、誰が作業を行っているかを知る必要があります。

それを深く理解するには、以下の問いが役立ちます。

  • 関連する人たちは皆、作業に取り組んでいますか?
  • 年齢、性別、人種、宗教、民族性、能力、健康、社会的・経済的地位は作業への取り組みに影響していますか?

意味のある作業を研究するための問2:作業は何ですか?

問2

作業は何ですか?

どんな作業をするかによって、その人らしさは違ってきます。

何の作業しているかを深める必要があります。

そのためには、作業パターン、作業プロフィールなどについて深掘りしていくとよいです。

  • 作業パターン、作業プロフィールは何ですか?
  • 他者(個人、集団など)の作業プロフィールは?
  • 年齢、性別、人種、宗教、民族性、能力、健康、社会的・経済的地位は作業選択に影響していますか?
  • 作業プロフィールにはどんな違いがありますか?

意味のある作業を研究するための問3:人々はいつ作業に取り組みますか?

問3

人々はいつ作業に取り組みますか?

作業は時間を構造化します。

例えば、働くという作業はいつ起床し、通勤し、労働するのかを規定します。

また、お祭りという作業は1年の時間の使い方に影響します。

このように、作業は時間を構造化するため、いつ作業するのかを理解する必要があります。

  • 日、週、年、人生を通してどう時間を使っていますか?
  • 毎日、毎週、毎月、季節ごと、年ごとに作業への取り組みにどのようなパターンがありますか?
  • 特定の時期に多くの人(あるいは少ない人)が特定の作業に参加することはありますか?
  • 文化的、政治的、社会的、経済的状況は人々の作業をどう規定しますか?

意味のある作業を研究するための問4:人々はどこで作業に取り組んでいますか?

問4

人々はどこで作業に取り組んでいますか?

作業は何らかの環境内で行われます。

また、作業の意味はどんな環境で行うのかによっても変わります。

なので、どういう環境で作業するのかを理解しないといけません。

以下の問いは作業と環境の理解に役立ちます。

  • 作業は特定の文脈のもとで行われますか?
  • 環境に固有の作業はありますか?
  • 普遍性のある作業には取り組んでいますか?
  • どのような環境が作業への取り組みに役立ちますか?

意味のある作業を研究するための問5:作業はどのように行われますか?

問5

作業はどのように行われますか?

同じ作業名でも人によってやり方は違います。

作業は個別性の高い営みなので、そういうことが起こるのです。

意味のある作業であれば、なおさら個性が際立ちます。

だから、どのように作業しているのかを明確に理解する必要があります。

  • 作業への取り組みのプロセスはいかにして生じますか?
  • 作業はどう創造・学習されますか?
  • 能力は作業遂行にどう影響していますか?
  • 作業への取り組みはどう促進されていますか?
  • 作業への取り組みはどのように妨げられていますか?

意味のある作業を研究するための問6:人々はなぜ作業に取り組んでいますか?

問6

人々はなぜ作業に取り組んでいますか?

作業の意味を理解するには、作業する理由を知る必要があります。

ある人が作業する理由を深掘りするには、以下の質問が役立ちます。

  • 作業には意味がありますか?
  • 人々は共通の目標に向かって作業に取り組んでいますか?
  • 人々はなぜある作業に取り組み、別の作業には取り組まないのですか?

まとめ:意味のある作業を研究するための6つの問い【作業の知識を増やす方法】

本記事では「意味のある作業を研究したいけど、どうしたらよいの?」という人のために、作業を研究するために提案されている6つの問い(視点)を紹介しました。

作業はとても複雑な現象です。

なので、複数の疑問を通して検討を加えて、作業に関連する有意味な研究テーマを構築する必要があるのです。

作業療法士の皆さん、作業に関する研究にどんどん取り組みましょう。

著者紹介
京極 真
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授。作業療法学科長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『作業療法リーズニングの教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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