【簡単な解説】もっとも大切な社会の基本ルール【自由の相互承認】

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きょうごく
本記事では「何だかとても生きづらいです。最近は社会のムードも暗いし、希望を見いだしにくいです。社会で生きていくために最低限理解しておく必要のあるルールってありますか?」という疑問にお答えします

本記事の内容

  • もっとも大切な社会の基本ルールは「自由の相互承認」です
  • もっとも大切な社会の基本ルールを理解するための必読図書【2冊です】
  • 自由の相互承認を習慣化させよう

この記事を書いている僕は、生きづらい世の中を少しでも生きやすくするための研究に取り組んでいます。

研究論文はもちろんのこと、書籍もいくつか書き下ろしています。

基本的にヘルスケア領域で論陣をはっていますが、それは生きづらさに通じるようなさまざまな問題が集約されているからです。

こういった背景の僕ですけども、今回は「もっとも大切な社会の基本ルール」について解説していこうと思います。

結論をいうとそれは「自由の相互承認」ですね。

徹底した原理なので、誰でも了解できる理路なので、記事を読んだ後にぜひ自身の生き方に取りいれてみてください。

もっとも大切な社会の基本ルールは「自由の相互承認」です

自由の相互承認ってなに?

社会のもっとも基礎にある最重要のルールは「自由の相互承認」の原理です。

ちょー簡単に言えば、自由の相互承認の原理とは、私たちが生きたいように生きるために、お互いに自由な存在であると認めあうことです。

ひとまず、これがぼくたちの市民社会の底の底にある基本ルールだと理解しておけばOKです。

自由の相互承認は「私たちが命を奪いあうことなく、生きたいように生きるためにはどうしたらよいか?」という問いのもと、徹底的に理路を研ぎ澄ますことによって導出された納得解=原理です。

原理ってなに?

原理とは、特定の関心のもとで論理的に考えていけば誰でも納得できる可能性の理路です。

つまり、原理は絶対に正しい真理でもなければ、信じる者にしか通じない物語でもありません。

原理は各人が問いあい、検討を重ねることで、「なるほど!この問題についてはこう考えるほかないね」と納得せざるを得ない可能性を帯びた考え方なのです。

だから、自由の相互承認もまた、絶対に正しいルールではありません。

だって、それに納得できるかどうかは皆さんの洞察にかかっているわけですから。

自由の相互承認のモチーフ

自由の相互承認は皆さんにしっかり洞察していただければ、誰でも納得しうる最強度の可能性のルールだと思っています。

この原理の根本モチーフは、私たちが信念対立の螺旋に陥ることなく、互いが固有の生をまっとうできる社会を創る、というところにあります。

私たちは誰でもそれぞれ固有の生を生きておりまして、自らの個別体験を手がかりに他者との関係性を結ぶことになります。

すると、どうしても世界観の確執という問題が生じるものでして、言い方をかえると、固有の生を生きることと信念対立がセットになるわけです。

人類史をふり返ると、信念対立は奪いあい、殺しあいの原動力です。

特にこの問題が顕在化しはじめたのは12000年前の農業革命からであり、人類が自由の相互承認をつかみ出す約200年前まで暴力以外にそれを制御する術をもっていませんでした。

このように、自由の相互承認の原理以前に、人類が長らく愛用してきた考え方は「普遍闘争」の原理といいます。

普遍闘争は弱肉強食というルールです。

大きく示すと、今のところ人類は「お互いの自由を認めあうか、強者が弱者を踏みにじるか」しか社会の基本ルールをもっていません。

人類が長い歴史を通して創りあげた社会の2大ルール

  • 普遍闘争の原理・・・弱肉強食の社会を良しとする
  • 自由の相互承認の原理・・・生きたいように生きられる社会を良しとする

しかし、普遍闘争の原理は信念対立の螺旋を解消できず、むしろ奪いあい、殺しあいを促進するばかりです。

自由の相互承認の根本モチーフはそういう事態を回避し、私たちが信念対立の螺旋に陥ることなく、互いが固有の生をまっとうできるようにするための社会の根本にある基本ルールとして見いだされたわけです。

そういうモチーフが伝われば、上記の問いのもとで考える限りにおいて、自由の相互承認はおそらく最強度の可能性のルールであると納得していただけるはずです。

もっとも大切な社会の基本ルールを理解するための必読図書【2冊です】

自由の相互承認は竹田青嗣がロック、ルソー、カント、ヘーゲルなどの議論から再構築した哲学原理でして、それを苫野一徳がさらに使えるかたちで展開しています。

ここでは、紹介する必読図書は以下の2冊です。

必読文献

  • 人間的自由の条件
  • どのような教育が「よい」教育か

上記2冊を読んでから、ルソー、カント、ヘーゲルなどに進むと、自由の相互承認の意味を理解しやすいです。

人間的自由の条件

本書は、哲学者の竹田青嗣が、近代哲学者たちが提案した哲学原理を総ざらいし、その意味と可能性を独自に示しなおしたものです。

本書で自由の相互承認は、ヘーゲルの根本的な解読を通して導きだされます。

そして、これは市民社会の最も根本的な基本ルールとして置きなおし、社会の原理として機能させようというわけです。

竹田の本は基本的に読みやすいですが、本書は本格的な哲学書なのでけっこう難しいです。

けど、自由の相互承認を理解したい人は必読です。

どのような教育が「よい教育」か

本書の著者である苫野は、上記の竹田の社会原理を引き受け、自由の相互承認が社会の基本ルールたりえると論証したうえで、それを実質化するための必要不可欠な制度的条件に「公教育」があると主張しています。

自由の相互承認はもっとも大切な社会の基本ルールなので法によって保証されるものであるが、それを現実のもととするためには各人が教養としてそれを育んでおく必要があります。

本書によると、公教育はその感度を育むという本質をもっているというわけです。

本書は自由の相互承認というルールを具体化するためのビジョンが示されていますので、この原理に関心がある人もない人も現代社会を生きるなら必読です。

自由の相互承認=もっとも大切な社会の基本ルールを生活に組みこもう

「もっとも大切な社会の基本ルールは自由の相互承認である」という議論に納得できれば、自らの生活に取りいれるようにしましょう。

ルールを実質化するためには知識を仕入れるだけでは不十分でして、使えるようになってこそ意味があるといえます。

知識は以下のサイクルを回してこそ実生活に影響を与えるのです。

ココに注意

  1. 本で知識を学ぶ
  2. 実生活に取りいれる
  3. 1から2のステップを自己評価する
  4. 3を踏まえてさらに実生活に取りいれる

自由の相互承認は「お互いに生きたいように生きたい存在であると認める」という考え方です。

つまり、人はそれぞれ人生があって、お互いにそれを尊重しあいながら生きるしかない、という感度を育めればよいわけです。

手前味噌ですが、ぼくが体系化している信念対立解明アプローチはそれを実質化するための技能でもあります。

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信念対立解明アプローチは、自他の目的と状況に配慮しあうことによって、それぞれいろんな事情があるので他人に不可逆的な迷惑をかけない限りは自由にやればよい、という感度を担保するためのさまざまな技法を実装しています。

関心がある人はぜひこれも学んでみてください。

まとめ

本記事では「何だかとても生きづらいです。最近は社会のムードも暗いし、希望を見いだしにくいです。社会で生きていくために最低限理解しておく必要のあるルールってありますか?」という疑問にお答えしました。

もっとも大切な社会の基本ルールは自由の相互承認と表すことができます。

ぼくたちはお互いに固有の生を生きていますから、生きたいように生きたい存在であると認めあうことが不可欠です。

言い換えれば、それ以外は枝葉のルールに過ぎないわけでして、その時々で柔軟に運用していけばよいという話にもなります。

少しでも生きづらさが減じる社会になればと願っています。

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