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人間作業モデルの個人的原因帰属を理解するコツ

Makoto KYOUGOKU
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本記事では「人間作業モデルの個人的原因帰属を理解するコツ」についてサクッと解説します。

こんな方におすすめ
  • 作業療法士
  • 人間作業モデルについて勉強したい人

人間作業モデルについて学びたい人におすすめ本については以下の記事で紹介しています。

意志について理解するのにお困りの方は以下の記事で理解するコツについて紹介しています。

人間作業モデルの個人的原因帰属を理解するコツ

自己有能感や自己友好感と捉えない

個人的原因帰属は自己有能感、自己有効感であると捉えると、とたんに理解が困難になります。

それはどうしてかというと、自己有能感や自己有効感は、個人的原因帰属の一面しか表さないからです。

その切り口から理解すると、この概念の全体像が見えなくなってしまうためです。

では、人間作業モデルの個人的原因帰属はどう理解したらよいか

結論:個人的原因帰属は「因果関係」を表す概念

人間作業モデルの個人的原因帰属をどう理解したらいいかというと、結論からいうと「因果関係を表す概念」と理解することです。

原著を丁寧に読むとわかりますが、この概念は「わたしは世界に対して影響を与えられる」し、「わたしはよい結果を導くことができる」という感覚を表現しています。

つまり、個人的原因帰属を理解するためには、「原因→結果」という法則で世界が構成されている、という認識の仕方をつかむことが、まず一番に重要です。

そして個人的原因帰属は「原因」に「私」を代入します。

私が原因でよい結果がもたらされると、「自己有能感」や「自己有効感」が向上します。

逆に、私が原因でわるい結果がもたらされると、「自己有能感」や「自己有効感」が低下します。

ここからわかるように、自己有能感や自己有効感は、個人的原因帰属が表現する「原因→結果」という法則のうち結果のみを示しています。

だから、個人的原因帰属は自己有能感、自己有効感であると捉えると、かえって理解が難しくなるわけです。

作業有能性とは

個人的原因帰属と似ていると理解されがちな作業有能性についてはどうかというと、「原因→結果」という図式で表すと「結果」に力点を置いた概念です。

作業有能性は、全体として作業が「上手くできているかどうか」を表す概念なのでどうしてもそうなります

だから、個人的原因帰属を自己有能感、自己有効感であると理解すると、「では作業有能性とどう違うのか」という疑問にいきつくわけです。

もう一度書きますが、個人的原因帰属は因果関係の感覚を表す概念です。

世界は「原因→結果」という法則で支配されており、私(原因)は何らかの結果を導くことができる、という感覚を、個人的原因帰属という概念は表現しています。

まとめ:人間作業モデルの個人的原因帰属を理解するコツ

本記事では「人間作業モデルの個人的原因帰属を理解するコツ」についてサクッと解説しました。

個人的原因帰属という概念を理解しようとした時には、捉え方を間違えてしまうと理解できなくなってしまいます。

個人的原因帰属という概念は、「因果関係を表す概念」ということをしっかり押さえておくとすんなり理解できますよ。

また、以下の記事で人間作業モデルに基づく評価を一覧にまとめています。ご活用ください。

著者紹介
京極 真
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授。作業療法学科長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『作業療法リーズニングの教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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