研究テーマの決め方【文系・理系どちらもOK】

投稿日:2018年11月12日 更新日:

きょうごく
本記事では「研究テーマの決め方がよくわかりません。研究テーマはどうやって決めたらよいですか?」という疑問にお答えします

本記事の内容

  • 研究の意味が理解できる
  • 研究テーマの決め方がわかる【文系・理系どちらもOK】
  • 研究テーマを決められるようになるために読むべき本がわかる
  • 実際に研究テーマを決定できるようになるための方法がわかる

この記事を書いているぼくは理論的研究、質的研究、量的研究、混合研究、尺度研究などいろいろやっています。

作業療法界隈ではわりと多くの大学院生の研究支援も行っており、それぞれ独創のある研究テーマで成果を出しつつあります。

以前から講演会などにお呼ばれすると、講演内容とは別に研究テーマの決め方について相談を受けてきました。

そこで本記事では、ぼくのこれまでの研究経験を踏まえて、研究テーマの決め方についてさくっと解説します。

※本記事は3分ほどで読めますので最後までおつきあいいただけるとうれしいです。

研究テーマの決め方を決める前に

研究テーマを決める前に「研究ってどんな意味があるの?」という問いに答えられるかどうかを考える必要があります。

この問いに対する答えが明確だと、研究テーマの決め方で迷走しにくくなります。

皆さんはこの問いにどうお答えしますか?

ぼくの答えは「研究には他者への贈り物という意味がある」です。

研究の意味は他に意味は見当たりません。

例えば、信念対立解明アプローチはぼく自身が臨床で生じる意見の対立に困ったことがきっかけで開発しました。

もしこれが、ぼく自身のためだけならば、自分だけのノウハウとして経験的に蓄積しておけばよいです。

けど、研究である以上は論文や著書を書いて「こういう問題はこうすれば解ける可能性がある」と言葉を尽くして説明していくことになります。

ぼく自身のためだけならば、これは余計なことです。

でも、研究は同じ問題で困っている人のために、その知見を伝えます。

ここからわかることは、研究するにはプレゼントするという意味があるということです。

なので、研究テーマを決めるときは、その問題を解決することによって、他の誰かが喜んでくれるか、という視点をもてばよいという話になるわけです。

これは、理系でも文系でもまったく同じです。

研究テーマの決め方のコツ【文系・理系どちらもOK】

ぼくがやっている主な研究テーマの決め方は以下の通りです。

大学院生の研究テーマを決めるときも、これは基本的に同じです。

研究テーマの決め方のコツ

  • その①:研究テーマは現実の未解決問題にしっかり結びつける
  • その②:研究を通して実現したい未来を思い描く
  • その③:別の要素を結びつける
  • その④:先行研究の限界から次の研究テーマを決める

その①:研究テーマは現実の未解決問題にしっかり結びつける

研究テーマは必ず現実の問題にリンクさせます。

現実の問題が根本的であればあるほど、研究成果に対する反響は得られやすいです。

なので、当該領域に深く根を張っている未解決問題を探り当てることは、徹底的にこだわって考え抜いた方がいいです。

例えば、ぼくは4条件メソッドという評価技法を体系化しています。

これは、臨床家なら誰でも自然な観察と会話で評価しているのに、なぜかその結果に基づいて判断すると否定される、という問題にしっかりリンクした研究テーマでした。

マイナーな研究テーマでしたけど、多くの人が困っている問題だったので、それなりに反響を得られました。

こんな感じで当該領域に深く根を張っている未解決問題にしっかりリンクさせるとよいです。

その②:研究を通して実現したい未来を思い描く

研究テーマは必ず現実の問題にリンクさせますが、それだけだと現実に起こっている問題しか解けません。

研究のもつ重要な機能の1つは「未来を創る」ことです。

なので、研究テーマを決めるときは、研究によって実現できる可能性の未来を考え抜くことも非常に重要です。

例えば、信念対立解明アプローチの原型は「構造構成的医療論」という医療原理論ですが、これは信念対立という現実に深く根を張る問題にフォーカスしたうえで、それを解消できる機能を実装した医療という将来像を明確に見すえながら構築したものです。

そのため、これは人類にとって未知の問題が生じたときでも、それを基礎づける機能まで実装させた理路になっています(この論文は以下の学術本に収録されています)。

つまり、この研究は現実の問題の解消と望ましい未来を現出させるための可能性の条件を整備することに取り組んでいるわけです。

完全に若書きですけども、構造構成的医療論を提唱した理論論文の末尾には「未来から書かれた医療論である」とまで明記していますから、笑。

こんな感じで研究テーマを決めるときは、現実の切実な問題に根ざしつつ、未来に向かってジャンプするために考え抜くとよいです。

その③:別の要素を結びつける

独創性のある研究テーマを創るためには、現実の問題に根ざしつつも距離のある要素をごりっと結びつけるという方法が役立ちます。

作業療法領域でいえば、新進気鋭の研究者である寺岡睦さんが主導するOBP2.0が、その最たる例です。

OBP2.0は、作業療法と信念対立解明アプローチという独立した領域を統合するという仕方で、他に類をみない独創性を発揮する研究テーマに仕上げることに成功しているからです。

このように、研究テーマに独創性をもたらしたいときは、関係なさそうな事柄同士をつなぎ合わせてみましょう。

その④:先行研究の限界から次の研究テーマを決める

先行研究が蓄積されている領域ならば、現実の問題に根ざしつつ、先行研究を精査することによって研究テーマを決めることができます。

例えば、ABCR-14は先行研究のレビューを通して、信念対立という深刻な問題を測定する方法がなく、実態解明や効果判定などで支障が生じているため解決する必要があるという流れで決めた研究テーマです。

先行研究を丁寧に精査していけば限界が明確に見えていきます。

そうした場合、その限界を解決できる研究テーマに決めればよいです。

ABCR-14については「ABCR-14活用ガイド【信念対立解明アプローチを基盤にした多職種連携のための評価法】」で詳しく解説していますので、関心がある人はぜひお読みください。

研究テーマの決め方に役立つ本【厳選1冊】

研究テーマの決め方でお勧めの1冊は「知的複眼思考」です。

本書は研究テーマの決め方で迷ったり、困ったりしたことがある人は必読です。

研究テーマは現実の問題にリンクさせるかたちで立ち上げていきますが、事物のとらえ方が単調だとそもそも現実の問題から研究テーマを導き出せないんですよね。

研究テーマを決めるためには、事物を多角的にとらえて自分の頭で考え抜くことが必要だからです。

本書はそのための思考法を明解に解説しているので、研究テーマの決め方で迷ったり、困ったりしている人は必ず読むべしです。

研究テーマの決め方を身につける方法

本記事では研究テーマの決め方やそれに役立つ本を解説しましたが、それを実際に身につけるにはそれらを読むだけでは圧倒的に不十分です。

本記事で研究テーマの決め方のコツがわかったら即実践してみましょう。

研究テーマの決め方のコツを今一度まとめると以下の通りですので、まずはこれらを実践してみてください。

研究テーマの決め方のコツ

  • その①:研究テーマは現実の未解決問題にしっかり結びつける
  • その②:研究を通して実現したい未来を思い描く
  • その③:別の要素を結びつける
  • その④:先行研究の限界から次の研究テーマを決める

研究テーマの決め方を実践すると、研究テーマにあった方法も同時に考える必要がでてきます。

そのコツは「これから研究をはじめる実践家のために(随時更新)」でまとめているので、ぜひあわせてお読みください。

これから研究をはじめる実践家のために(随時更新)」では研究テーマにあった方法を選択するうえで困ることがあれば随時質問を受けておりますので、そちらもぜひ活用してください。

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まとめ

本記事では「研究テーマの決め方がよくわかりません。研究テーマはどうやって決めたらよいですか?」という疑問にお答えしました。

研究には他者への贈り物という意味があります。

他者にプレゼントすると喜ばれる研究テーマを設定するようにしてくださいね。

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