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良質なチーム医療を実践するには専門性を高める必要がある件

京極真
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本記事では「チーム医療はコラボレーションが必要なので、自分の職種の専門性を高めることにはこだわっていません。良質なチーム医療を実践するために、専門性なんて高めなくてもよいですよね」という疑問にお答えします

こんな方におすすめ
  • 自分の職種の専門性に興味がない
  • 専門性を高める理由がわからない

良質なチーム医療を実践するには専門性を高める必要がある件

結論から言うと、良質なチーム医療を実践するには専門性を高める必要があります。

良質なチーム医療は死亡率の改善などのアウトカムをもたらすので、現代医療ではめちゃ重要です。

アウトカムを改善するチーム医療の特徴は、高い専門性を発揮しつつ、立場の違いをこえてコラボレーションできることです。

つまり「専門性×学際性」の両立が良質なチーム医療には欠かせないわけです。

なので、良質なチーム医療を実践するには専門性を高める必要があるのです。

チーム医療における専門性と信念対立

ところが、チーム医療は信念対立が生じやすいという問題があります。

信念対立が生じると、人間関係が上手くいかなくなって、チーム医療の質が低下します。

信念対立の典型として、専門性をめぐる問題があります。

例えば、「○○療法士って△△療法士の真似事ばかりしている。専門家として何ができるのかわからない。だから頼れないし、信頼できない」みたいな問題がわりとふつーにあります。

それが起点になって「専門性へのこだわりが強くなって排他的になるケース」が起こりえます。

上記の例で言えば、「こういう問題を解決するには、自らの専門性を高めるしかない。その手段として、自分たちが専門とする仕事以外しない」みたいな反動形成が生じるわけです。

他方、「専門性がきっかけでしんどい思いするから、もう専門性にはこだわらない」という態度になることもあります。

上記の例で言うと、「私は別に自分の職種の専門性にこだわっていない。隙間産業の何でも屋でいい」という立場へと移行していくことがあるのです。

なお、信念対立への対応策は以下の記事で解説しているので、ぜひどうぞです。

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チーム医療では専門性を高めつつ、学際性を身につける

専門性と学際性の両立が重要

ではどうしたらよいかというと、チーム医療では専門性を高めつつ、学際性を身につけていく必要があります。

専門性にこだわるあまりに排他的になってもいけないし、専門性が起点になって嫌な目にあったからといってそれを放棄してもいけないのです。

くるりんパッと冒頭のQに戻ると、「良質なチーム医療を実践するために、専門性なんて高めなくてもよいですよね」というものでした。

なので、これに対する答えは良質なチーム医療を実践するには専門性を高める必要がありますよ、というものになるわけです。

サッカーを例に考える

そういうと「でもやっぱり、、、」という方がいるので、わかりやすくするためにサッカーを例に考えましょう。

サッカーは1チーム11名で構成されており、大きくわけると以下のポジションから構成されています。

  • ゴールキーパー:ゴールを守る係
  • ディフェンダー:守備係
  • ミッドフィルダー:守備と攻撃をつなぐ係
  • フォワード:攻撃係

ポジションというのは専門性みたいなものでして、例えば、フォワードの専門性は前線で攻撃することです。

サッカーの試合で勝つには、各ポジションで高い専門性を発揮しつつ、相互に助けあう必要があります。

さて、もしゴールキーパーが自らの専門性を高めなければどうなるでしょうか。

シュートを入れられ放題になって、高確率で試合に負けますよね。

「良質なチーム医療を実践するために、専門性なんて高めなくてもよいですよね」というのは、「ぼくはゴールキーパーだけども、サッカーの試合に勝つために、ゴールキーパーの技術を高めなくてもよいよね」といっているのと同じです。

こう例えると「わりとやばそうだ」ということはわかるかと思います。

まとめ:良質なチーム医療を実践するには専門性を高める必要がある件

本記事では「チーム医療はコラボレーションが必要なので、自分の職種の専門性を高めることにはこだわっていません。良質なチーム医療を実践するために、専門性なんて高めなくてもよいですよね」という疑問にお答えしました。

結論を言うと、良質なチーム医療を実践するには専門性を高める必要があります。

ただ、「良質なチーム医療を実践するために、専門性なんて高めなくてもよいですよね」という背景には、つらい信念対立が生じていることがあります。

つらい信念対立が生じていたら、それへの対応もしつつ、専門性も高めるという発想が必要です。

つらい信念対立を体験しているかどうかは、ABCR-14で測定できるので関心ある人はぜひどうぞ。

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著者紹介
京極 真
1976年大阪府生まれ。Ph.D、OT。Thriver Project代表。吉備国際大学ならびに同大学大学院・教授。作業療法学科長、保健科学研究科長、(通信制)保健科学研究科長。首都大学東京大学院人間健康科学研究科博士後期課程・終了。『医療関係者のための信念対立解明アプローチ』『作業療法リーズニングの教科書』『作業で創るエビデンス』など著書・論文多数。
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