【受験】作業療法士になるには【大学・短大・専門学校の選び方を解説】

更新日:

本記事では、作業療法士であり、作業療法学の博士号をもつぼくが、

  • 専門学校、短大、大学のどこがお勧め?
  • 進学先はどう決めればよいか?
  • 進学先は都会と田舎のどっちがいい?
  • 作業療法の実習は厳しい?
  • 作業療法士の給料はどれくらい?
  • 作業療法士の就職先は?
  • そもそも作業療法ってなに?

という疑問にできるだけわかりやすくお答えいたします。

本記事のポイント

  • 作業療法士になりたい人は専門学校、短大、大学のどこでもよい
  • 進学先は教員の活力が高いところを選ぶ
  • 都会と田舎はどっちも一長一短があるため自身の生活様式にあったところを選ぶ
  • 作業療法の実習は優しいところも、厳しいところもある
  • 給料は格差社会になっているので、稼げる側に回るように努力すべし
  • 就職先はたくさんあるので、その心配するよりも自分の価値を高めること
  • 作業療法とは暮らし安心クラシアンである

なお、こうした疑問に答えるサイトはいっぱいあります。

それに対する本記事の特徴は、既存のサイトにはあまりのっていない情報を中心に書いているところにあります。

<人気記事一覧に戻る>


作業療法士になるためには専門学校、短大、大学のどこがお勧め?

作業療法士になるためには、作業療法士国家試験の受験資格が必要です。

受験資格を得るためには、一般に作業療法士養成校へ進学しなければなりません。

進学先は専門学校、短期大学、大学があるため、その中からいずれかを選ぶ必要があります。
作業療法士コース
その際、専門学校、短期大学、大学のうち、いずれを選べばよいかという疑問が生じます。

将来を考えると、普通は大学が一番良さそうですし、両親、高校・予備校の先生はきっとそう言うでしょう。

でも、作業療法士界隈で長年働いてきた経験から言うと、専門学校、短期大学、大学のどこで学んでもその後の人生にさほど影響しません。

なので、「専門学校、短期大学、大学のうち、いずれを選べばよいか」という疑問に対しては「お好きにどうぞ」と答える他ありません。

ちなみに、ぼく自身は専門学校で作業療法を学びましたが、現在は大学や大学院で教員しています。

作業療法士界隈は他の領域に比べて柔軟性があるので、どこで学んでもその後の運と努力と才覚でどーにでもなるんです。

逆に言えば、有名大学で学んでも作業療法士になってからボーッとしていたら、どーしようもない人生になります。

ぼくはそういう人をいっぱい見てきました(まぁ、ぼくもいずれ落ち目になるかもしれませんけども)。

なので、これから作業療法士を目指す人は、「専門学校、短期大学、大学のうちどこを選べばよいか」で悩んだら「お好きにどうぞ」という言葉を思い出すようにしましょう。

作業療法士になるための基本的な過程は以下が詳しいので、一冊手元にあるとよいです。

高校生は進学先をどう決めればよいか?

とはいっても、進学先はどこかに決めなければなりません。

最もオススメしたい方法は教員の活力=質を調べるというものです。

不思議なことに、作業療法士界隈は有名大学でもめっちゃ澱んだ感じの先生ばかりがいたり、地方の無名の専門学校でも第一線で活躍している先生たちがいたりします。

世間一般の評判はよくても、業界内の評判は不評というところもあります。

例えば、有名大学で大学のレベルそのものは高いのに、作業療法学科のレベルだけはとても低いということが起こりえるのです。

もちろんその逆もふつーにあって、世間一般のイメージ通りに有名大学を素直に選んだらよいこともあります。

いずれにおいても、教える教員の活力は作業療法の知識と技術の鮮度とリアルに直結します。

つまり、第一線でバリバリやっている先生のもとで学ぶことができれば、現実にそくして最先端の知識と技術を学ぶことができます。

他方、しょぼい先生のもとで学べば、当然ながら知識と技術も一昔前、二昔前になります。

この業界は知のサイクルが早いので、一昔前、二昔前の知識と技術は実際には使えないこともあります。

こうした情報は、進学先を決めなければならない中高生にはほとんど届かず、残念なことに現状は入学してから、あるいは作業療法士になってから知ることがほとんどです。

進学してから「めっちゃ古い内容を教えてもらってるやん!」となっても後の祭りです。

そうした事態を回避するためには、受験生や高校・予備校の先生は教員たちが公表している論文や著書の数をしっかり調べるべきです。

高校・予備校の先生の中には、そういう努力なく生徒に進路の助言を行う人がいますが、それは単なる怠慢です。

論文や著書の数は活力のバロメーターです。

有名大学で働いている人でも何年も論文・著書を出していない人はいるものです。

他方、専門学校の教員でも毎年のように論文・著書を発表している人もいます。

ただし、調べ方はひと手間かかります。

一番簡単な方法はオープンキャンパスに行って教員に論文や著書の数を聞くというものです。

正直に教えてもらえるかどうかはわかりませんが、表情が曇ったり、不快そうにしたら要注意です。

このやり方は露骨すぎるので嫌だという人は、pubmedciniiなどにアクセスし、学校名と作業療法という検索式の組み合わせて調べるとよいです。


進学先は都会と田舎のどっちがいい?

進学先の立地についてもよく質問を受けます。

多くの方は都会を好むようですが、作業療法士になるという点でいえば「お好きにどうぞ」と答える他ありません。

都会の養成校で学んだからレベルが高いとか、就職に有利とかはまったくありません。

もちろん、田舎の養成校で学んだから低レベルで、就職に不利とかもまったくないです。

上述したように、養成校の質は教員の活力で決まり、それの方がレベルや就職に直に影響するからです。

ただ、こう書くだけだと決め手に欠けると思うので、「大都会の東京」と「ド田舎の岡山」の両方で教員した経験を踏まえて助言を書いておきます。

まず、都会と田舎のどっちに進学するにしても、上述した教員の活力=質は絶対に調べた方がよいです。


都会に進学して、建物は立派だし、生活環境も華やかだけども、教員がぜんぜん駄目だった、ということはふつーに起こりえます。

もちろん、田舎に進学して、建物はそこそこ古いし、生活環境も刺激がなく、しかも教員のレベルもすげぇしょぼかった、ということも当たり前のようにあります。

なので、いずれにおいても、教員の活力=質は絶対に調べましょう。

次に、都会に進学するメリットとデメリットです。

まずメリットは、生活環境が基本的に便利で、休みの日にいろいろ遊べるし、バイトもいっぱいある、などがあります。

デメリットは家賃が高く、生活環境が華やかなのでどーしても誘惑が多く、勉強よりも遊びが優先しやすい、などです。

田舎に進学するメリットとデメリットです。

まずメリットは家賃が安く、四季折々の自然環境を味わえて、何よりも、超少子高齢化社会の現実を肌身で感じることができるので日本の未来を見すえながら勉強できる、などがあります。

デメリットは、生活環境が都会に比べると基本的に不便で、休みの日の遊びは虫取りとか山登りとかになり、バイトの種類が限られる、などがあります。

ぼくは大都会の大阪市内で生まれて育ちましたが、子供の頃から田舎が大好きで、進学した専門学校も超田舎にありました。

おかげで毎日楽しかったですが、都会好きの友達は苦痛そうでした。

都会と田舎のそれぞれにメリットとデメリットがあるので、自身の好みにあわせて選びましょう。

ただし、教員の活力=質が低いところは、どんなに好みの場所にあっても避けるべきです。



作業療法の実習は厳しい?

オープンキャンパスなどで実習に関する質問を受けることが多いです。

作業療法・理学療法の実習はめちゃ厳しいという話を見聞するため、それが気になって質問されるわけです。

ぼくの個人的経験から言うと、ほとんどの学生は実習に行くと「作業療法士を目指したよかった」という感想を述べてくれます。

気を使ってそう言っているのかもしれません。

でも、たいていは、実習に行くと当事者から直に教わるので「意義のある仕事だ!」と感じるようです。

ただし、人によっては実習がめちゃ辛いことがあります。

その理由はいろいろです。

ありがちな理由は、学生の知識不足、準備不足です。

実習に行くための準備が不十分で、実習中にしなくてもよい苦労をすることがあるのです。

もうひとつありがちな理由は、臨床教育者(現場の臨床家)からのパワハラまがいの言動です。

ぼくが学生だった頃に比べればだいぶ改善したと思いますが、それでも一部でそうした問題が残っています。

実習形式は、症例担当型から診療参加型へと移行しつつあります。

診療参加型実習は、学生が過剰に苦労する事態を回避しやすくしてくれます。

でも、上記のような問題があると、診療参加型でも、とてもつらい実習になります。

そういうときは、養成校の教員がマネジメントに入ります。

進学する前から実習を心配するよりも、実際に入ってから教員に相談するようにしたらよいです。
作業療法士の実習が不安な人は以下の書籍を読むとよいです。

実習前・実習中・実習後を通して、作業療法学生(あるいは理学療法学生)がどのような問題に直面し、どう対応したらよいのかを見通せるからです。



作業療法士の給料はどれくらい?

作業療法士の給料の一般的な情報は、いくつか調べてみましたが、以下のサイトが詳しいようです。

参照:意外と知らない!?作業療法士の年収・給与を徹底調査します!

作業療法士の平均年収は他に比べて低めです。

その要因は作業療法士の平均年齢が他に比べて低いことにあります。

つまり、作業療法士は若い人ばかりなので、平均年収が低めに推定されがちなのです。

という話は他のサイトでもあるので、本記事の方針にしたがって、他ではあまりないであろう話題を書いておきます。

結論から言うと、個人的な皮膚感覚としては、作業療法士の世界はフツーに「格差社会」です。

格差に気づいていない作業療法士も多いかもですが、ぼくが見ている限りにおいては立派な格差社会です。

ぼくの個人的感覚でテキトーにいうと、恐らく99.999%の人は上記のサイトで提示されているような給与かもしれませんが、うまく勝ち抜けた0.001%の人はなかなかええ感じで稼いでいます(数字はマジで適当なので、それ以上かもしれないし、それ以下かもしれない)。

強調しておきますが、勝ち抜ける人はごくごく一部の選ばれし者なので、基本的には無理ゲーですよ。

さて、主な副収入源は講演原稿執筆企業からの業務委託非常勤などです。

例えば、ぼくの講演料は基本的に依頼先が提示した額で決めているのでぶっちゃけ相場ですが、人によっては1時間あたり5万以上とか10万以上もらわないと受けないという人もいます。

また、企業が積極的に参入する病院・施設で働いている人は、運がよければ業務委託というかたちでけっこうな額をもらうことがあります。

こうして、本当にごくごく一部の人は本業に加えて、副業でビックリするぐらい稼いでいます。

なので、これから作業療法士を目指す人は、世間一般と同様に、この領域も格差社会であると理解しておくとよいです。

では、どんな作業療法士が成功しているのでしょうか?(そもそも何をもって成功というのかわかりませんが)

作業療法士を対象にした成功法則の研究は皆無なので、基本的には不明です。

ただ、個人的な皮膚感覚でいうと、人間関係環境過剰な努力ほんの少しの才能が良いタイミングでピタッとかみあった人が、うまく成功しているかなぁ。

運と才能は自分の努力ではどーにもなりません。

他方、自分の能力を引き出し引き伸ばしてくれる環境は、自己理解を深めると判断力に問題がない限りにおいて選べる可能性があります。

努力は興味とスキルが一致すれば持続的に過度に行える可能性があります。

また、人間関係は相手があることなので半分ぐらい自分ではどーにもできませんが、ギブ&ギブを心がけていき、異なる意見を持つ人とうまく調整できるなら、よくなるかもしれません。

こうした条件を知ったからといって、皆さんが成功するかどうかはまったくわかりませんけどね。

なお、対象を広げればそうした研究はいくつかあります。

以下の書籍は先行研究から成功法則をわかりやすくまとめていますので、関心がある中高生の皆さんはぜひ読んでみるとよいでしょう。



作業療法士の就職先は?

就職先は基本的に病院(一般病院、大学病院、精神病院など)、施設(老健、訪問リハ、訪問看護、特養など)、行政(保健所、市役所、県庁など)が中心です。

最近は、そのまま大学院に進学する人もちらほらいます。

専門学校、短期大学、大学のどこに進学しても、求人はふつーにたくさんあるので基本的に就職率は100%です。

これから療法士も就職難になると煽る人もいますけど、今のところ(そして近未来も)たぶんだいじょーぶです。

50年後とか100年後は知りませんけど。

というわけで、基本的に作業療法士は臨床家として働くぶんには就職先に困ることはほぼありません

もちろん、「虫に作業療法したい」などの特殊な目標に進む場合は別ですよ。

そういう場合は就活で相応に苦労します。

さて、この辺の話はどこでも書いているので、本記事の方針にならって恐らく中高生があまり知らないであろう話題を書いておきます。

作業療法士になるためには、作業療法士養成系の専門学校、短期大学、大学のいずれかに進学する必要があります。

けども、作業療法士養成校を卒業したからといって全員が作業療法士として働くわけではありません

ほとんどの作業療法士養成校卒業者はひとまず作業療法士として働きます。

しかし、一部の有名大学になってくると新卒で出版社などの一般企業に就職する人たちがふつーにいたりします。

もったいない気がしますけども、一部の有名大学に進むと職業選択の幅はそれなりに広いです。

また、この界隈の就職率は100%ですけども、一般社会と同様にブラック病院・ブラック施設はいっちょ前に存在しています。

医療保健福祉は病気・障害をもつ人を支援するので、領域も善意に満ちているかのように錯覚しがちですが、そこはやはり人間がやっていることなのでえぐい病院・施設ももちろんあります。

一般社会と同様に、この領域もまた、善意が悪意を生むことがあるのです。

なので、就職率100%だからといって安心せず、地雷を踏まないように就活するようにしてくださいね。

それと、これから作業療法士になりたい人は以下の書籍は必読です。

日本の社会は大きく変わりつつあり、本書を読むとそうした転換点の中でどう生き抜けばよいかを理解できます。



そもそも作業療法ってなに?

作業療法士の仕事は生活・人生の安心と安全を守ることです。

くらし安心クラシアン」というフレーズがありますけども、これは作業療法士にも当てはまります。

ぼくたち作業療法士の仕事は、障害の有無に関わらず、人々の生活・人生の不具合を改善し、安心・安全に生きられるよう支援することです。

その知識と技術を総称して「作業療法」と呼ぶのです。

作業療法士を紹介した本で最もオススメは以下です。

日本の作業療法士の中でとても活力ある先生が書いた本で、わかりやすく作業療法士の仕事の本質を紹介してくれています。

作業療法士を目指している人はぜひお読みください。

暮らしの安心・安全を守る仕事に就きたい人は、作業療法士を目指しましょう。

<人気記事一覧に戻る>

-受験

Copyright© 京極真の研究室 , 2018 All Rights Reserved.